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おおいた維新の会 地域マニフェスト2023

2023.03.19

【公務員・教職員改革】
●公務員の公平な職員給与水準の決定

大分県人事委員会の勧告は、企業規模50人以上、かつ事業所規模50人以上の県内民間事業所393のうちから無作為に抽出した144事業所について調査をした結果に基づき、公務員の給与を民間企業の水準に合わせるとしていますが、事業所規模50人以上は、事業所数で全体の3%、従業員数で全体の40%ですから、ほぼ大企業の月給とボーナスの水準に合わせていることになります。事業所規模が大きくなるにつれて、平均給与が高くなる傾向があり、この勧告に従うならば、職員の給与水準が中小企業を含めた民間企業一般の水準を超えることになります。
自治体が民間企業のように倒産することはなく、公務員は失職するリスクが低いことを考えるならば、職員に大企業並みの待遇を与えることは、不合理であります。企業の平均寿命は30年程度で、業績が好調な期間はそれよりも短く、昨今、大企業ですら定年までの終身雇用を維持できていないのが現状です。ローリスクならローリターン、ハイリターンを求めるならハイリスクというのが原則であって、ローリスクな雇用で大企業並みのハイリターンを与える例外を公務員に認めてはいけません。それはたんに財政上好ましくないというだけでなく、私たちの価値観を歪めるという点で有害であります。
自治体によっては、その首長がこの勧告に異を唱え、勧告を拒否している事例も出ております。大分県も人事委員会勧告を何も考えずに受け入れるのではなく、ローリスク・ローリターン、ハイリスク・ハイリターンの原則を踏まえ、公平な給与水準の決定を行える仕組みを作って行く必要があります。

●教員の新しい評価方法

平成20年度に発生した教員採用選考試験をめぐる不祥事は、我が県の教育行政に対する県民の信頼を失墜させました。再発防止策を立てる前に、そもそもこうした汚職事件がなぜ起きるのかを、根本的に考える必要があります。
塾や予備校といった私教育ではこうした問題は起きません。採用時に学力確認のため筆記試験を課している所もありますが、その結果がいつまでも重視されることがないからです。生徒の評判が良くなかったり、学力を伸ばすことができなかったりすればクビになります。教師の仕事は生徒の学力を伸ばすことですから、教師の能力は採用時の試験の成績ではなくて、実際に生徒の学力を伸ばすことができるかどうかで測定されるべきなのです。
ところが、公教育では、教師の採用や昇進は、こうした消費者の選別では決まりません。決定権が多数の消費者ではなくて、教育委員会を含めた行政側の少数の管理者にあります。 それなら、そこを買収すればよいということになります。公立の場合、教員の身分は公務員ですから、いったん正規教員として採用されると、教師としての実力を発揮しなくても、その後の雇用が保証されます。
たんに不祥事の再発を防ぐという消極的な理由からだけでなく、消費者である生徒の満足度を高めるという観点から、もっと消費者の選択を反映するように公教育のありかたを変変えなければなりません。もちろん、私教育のように完全に市場経済の原理を取り入れるというわけにはいきませんが、それを部分的に取り入れることならできます。
例えば、教員採用の際に、実際に生徒の前で模擬授業をやってもらって、生徒に評価してもらい、その結果を参考にするといったことです。臨時講師を正規教員にするかどうかといった判断も、採用試験の点数だけで決めるのではなく、勤務時の生徒の評価や学力の上昇度などを基準にするということも提案できるでしょう。公務員身分の教員は年功序列なので、給与をそういう基準で決めることはできないでしょうが、ボーナスなどは自治体の裁量でどうにかなるので、実力主義的に決めることも検討に値します。おおいた維新の会は教員の新しい評価制度の構築を進めてゆきます。


【交通インフラ政策】

●東九州新幹線はその在り方を見直す

政府は「未来への投資を実現する経済対策」として、リニア中央新幹線の全線開通前倒しや整備新幹線の建設加速を閣議決定しました。我が県も、新幹線建設に前のめりになる中央の動きに呼応するかのように、県独自の整備推進期成会を設立するなど、東九州新幹線早期建設の機運を高めようとしています。
しかしながら、新幹線建設が、政府がそう位置付けるような「21世紀型のインフラ」の整備になるとは考えていません。
鉄道輸送は、テレビ放送とよく似ていて、輸送行程の最大公約数的なルートだけを決まった時間で移動するサービスしか提供できません。これに対して、自動車は、個別にカスタマイズされたルートを移動するサービスをオンデマンドで提供できます。その優位性ゆえに、陸上の貨物輸送ではトラックが鉄道から主役の座を奪うようになりました。
陸上の旅客輸送では、鉄道の果たす役割が依然として大きいのは事実です。自動車を自由に使おうとするなら、自分で運転しなければならないし、自動車を私的に保有するにせよ、タクシーのサービスを利用するにせよ、高くつきます。バスは特定のターミナル間を特定の時間に運行しているだけなので、鉄道と同じデメリットを有しています。
しかし、こうした自動車のデメリットは、完全自動運転の自動車が実用化されれば解消されるでしょう。安くて、安全で、速い無人タクシーが配車アプリでいつでもどこでも利用可能になれば、それは鉄道や有人のタクシーやバスといった従来の公共交通インフラよりも強い競争力を持つことになります。それゆえ、陸上貨物輸送で起きたのと同じようなことが、将来陸上旅客輸送で起きると予想されています。
新幹線は大量輸送を効率的に行うことができると言われていますが、それはあくまでも乗車率が高ければの話で、乗車率が低ければ、個別輸送が可能な自動車よりも輸送効率が低くなります。九州東部は人口密度が低く、しかもこれから高くなるという見込みもありません。人口密集地帯どうしを結び付けるのには大動脈が必要性でしょうが、大分県なら毛細血管で十分です。
こうした見通しの下、鉄道インフラよりも道路インフラの方が将来の大分県の交通インフラとしてより重要であると考えます。東九州新幹線整備費用の地元負担額は、大分県と県内の沿線自治体で2670億円が見込まれています。知事は、広瀬県政14年で3000億円を超えて県債残高を少なくしてきた事を引き合いに出し、この程度の予算は捻出可能とみなしていますが、県内の道路インフラが老朽化していることを考えるなら、捻出した予算は、道路とその関連施設の修繕、更新、整備に優先的に回すべきでしょう。

●交通弱者問題はライドシェアで解決

大分県は高齢の自動車運転者に免許の自主返納を促しており、その結果、自動車を運転することができない交通弱者が今後増えることが予想されます。しかしながら、赤字路線の地方バスヘの補助は、自家用車を利用することができない交通弱者を救済する方法としては時代遅れであり、インターネットが普及した現在では、ライドシェアの普及によって交通弱者問題を解決するべきです。
日本では規制が厳しく、営利目的の白タクを全面的に解禁するには至っていませんが、白タク規制の完全撤廃までにも、大分版ライドシェアの仕組みを考察してゆく事が必要です。


【教育政策】

●教育のユビキタス化

大分県教育委員会は、「大分県教育チャンネル」で、模範授業をノーカットで収録して世界に公開する「授業まるごと!」というシリーズを配信しています。世界に公開しても恥ずか
しくないぐらいに完成度の高い作品ですが、逆にそうした質の追求がネックとなって、すべてのカリキュラムをカバーするほどたくさん作ることができなくなっています。
そこで、質が低くてもよいので、教室で日常的に行われている授業を、録音機能付きのネットワークカメラで撮影し、その動画をクラウドで保存し、ストリーミングで閲覧することができるようなシステムを提案します。学校側の作業は、ネッワークカメラを教室に設置するだけですから、それほど負担にはなりません。「授業まるごと!」では撮影と編集に労力を注いでいますが、そうしたことをしなくても、複数のアングルから複数のネッワークカメラで撮影した動画を、視聴者が自分で切り換えながら視聴するというようにするなら、撮影や編集の手間がかかりません。動画を保存し、クラウドで管理する県にとっては、少し費用がかかる事業ですが、Oita4.0というキャッチフレーズのもと、データ駆動型社会を目指すのであるなら、この程度のことはするべきではないかと思います。
日常の授業を無修正、無編集のまま世界に公開するのは恥ずかしいというのであるなら、アクセスに制限をかけてもかまいません。生徒、管理職を含めた教員、および生徒が未成年の場合は、生徒の保護者に、マイキーで紐付けたアカウントを作り、ログイン後に動画を視聴できるサイトを作ればよいでしょう。このサービスにより、生徒は、欠席した時や復習したい時に自分のクラスの授業を閲覧することができます。授業が分かりにくい時は、他の先生の授業を見ることもできます。保護者が常時閲覧できるのなら、授業参観は不要になりま
す。また、子供に自宅で宿題をやらせるときに役に立ちます。
近年、生徒が授業中に勝手に教室を歩き回るといった学級崩壊が深刻な問題になっています。学級崩壊というほどではないにしても、生徒が私語をして授業を聞かないといったことはよくあることです。ネットワークカメラが教室に設置されれば、生徒は、自分の挙動が保護者や学校の管理者から監視され、記録に残されることを意識して、行儀がよくなることが期待されます。
マイキーで紐付けたアカウントを作るのなら、ここでも投票システムを導入することができます。視聴者が授業の評価を入力し、そのデータを匿名化した上で教員にフィードバックすることで、教員は自分の授業を見直すことができます。高い評価を受けた他の教員の授業動画を見て、研修を行うこともできます。文科省は、学生のアルバイトの把握や奨学金の貸与などでマイナンバーを使う予定ですが、管理されるための番号としてだけでなく、権利を主張するための番号としても活用したいところです。
こうしたサービスを県内で一斉に行わずとも、まずは希望する学校に手を挙げてもらって、少数の学校で実験的に開始し、良い効果が認められれば、他の学校にも広げていくという方法で推進してゆけば良いと考えます。

●小中学校におけるプログラミング教育

文科省が取りまとめた有識者会議では、プログラミング教育の目的は、生徒がコーディングを覚えることではなくて、プログラミング的思考を身に付けることだとされていますが、教員がプログラミングを理解していないのなら、プログラミング的思考を教えることもできません。
小学校低学年向けには、スクラッチなど、直観的にプログラミングができる無料の教育用ビジュアル言語があり、これなら、プログラミングに不慣れな一般の教員でも教えられるでしょう。しかし、小学校高学年以上に一般的なプログラミング言語を教材とする教育を行うとなると、かなりハードルは高くなります。教員は多忙であり、研修等に十分時間をかけることも困難です。
そこで重要になるのが、特別免許状制度を用いて、教員免許を持たないが、プログラミング教育をすることができる人材に授業をしてもらうことです。もとより、そうした人材は全国どこにでもいるわけではありません。この問題を解決する最も良い方法は、双方向性のある遠隔教育を活用することです。
完全な遠隔教育を行わない場合でもプログラミングを教える無料動画などの教材は既にネット上にあるので、生徒が宿題としてそれを家庭で視聴し、学校では実践的なトレーニングを行う反転学習のような部分的な遠隔教育が有効です。
おおいた維新の会は遠隔教育を取り入れ大分県のプログラミング教育を実のあるものにします。

●グローバル人材の育成

大分県の企業のグローバルな競争力を高めるためにも、グローバル人材の育成は必須であります。保護者の八割が、子供が国際的に活躍できる人材となることを望み、高校生の保護者の六割が在学中の海外留学を希望しています。しかし、実際に留学するのは、公立高校生全体のわずか0.1%に過ぎません。保護者が子供の留学を希望するにもかかわらず、実際に留学させない理由として最も多いのは、金銭面の負担であり、次に多いのが滞在先での安全面です。この希望と現実のギャップを埋めるために、国内の高校で海外留学した時と同じ授業が受けられる新しいヴァーチャル留学制度を推進したいと思います。教える側の方が教わる側よりも数がずっと少ないのですから、教わる側を海外に送るよりも、教える側を国内に招聘する方が、費用がかかりません。また、普段通っている高校で授業が受けられるのですから、治安や健康など安全面での心配もいりません。
このヴァーチャル留学制度は、まずはスーパーグローバルハイスクールに指定されている県立大分上野丘高等学校で実験的に行うのが適切です。上野丘高校での実証実験が成功したなら、適用を他の県立高校や県立芸術文化短期大学国際総合学科にも広げればよい。北半球の英語圏では、夏季休暇期間中、ハイスクールの先生には仕事がありません。そういう先生のうち、評判の良い先生を招聘し、教員免許状が不要な特別非常勤講師として、現地で用いている教材を使って、現地と同じ授業をしてもらうのです。
教科は数学または理科が最適です。数式は世界共通ですし、理科は視覚的な教材を使うことで、英語の授業であっても比較的理解しやすいでしょう。集中授業という形で、総合的な学習の時間の1単位を割り当てるなら、夏季休暇期間中に単位を取得できます。短期集中の方が、現役の先生を招聘しやすいし、生徒にとっても英語力が身に付きます。英語の勉強になるだけでなく、数学や理科の復習にもなるのですから、「総合的な学習」にふさわしい授業と言えます。
ほとんどの日本人は、六年間以上英語を学んでいるにもかかわらず、英語によるコミュニケーションが苦手です。その原因の一つは、日本人は英語を学ぶことはしても英語で学ぶことはしないからです。日本の学校教育では、英語はコミュニケーションのツールではなく、解読するべき暗号のように扱われています。そのような伝統的な英語教育では、英語を使いこなすグローバル人材を育成することはできません。現在、日本の大学でも、国際教養大学の成功に触発されて、英語で授業を行うコースを設置するところが増えてきました。大学で
スタディ・イングリッシュからスタディ・イン・イングリッシュへとトレンドが変わりつつある中、高校の段階でも、このトレンドを先取りする教育を行ってゆかなければなりません。


【子育て支援】

●待機児童ゼロを実現するための子育てバウチャー制度の導入

そもそも待機児童問題は、認可保育所と認可外保育施設といった政府や自治体が作り出した格差によって生み出された問題です。政府や自治体が税金を投入した保育所ほど料金は安く抑えられ、入所希望者が殺到し、その結果として待機児童問題が生じているのです。しかし、本来、保育施設の良し悪し、サービスの質の高低は消費者が決めるべきことであって、政府や自治体が決めるべきことではありません。待機児童問題を解決するためには、そして保育サービス市場における公平な競争を促し、民間の創意工夫を引き出すためには、こうした官製格差を解消しなければなりません。具体的には、保育所への直接的な助成金の支給を止め、代わりにバウチャー、例えば「おおいた子育てほっとクーポン」の発行額を増やすなど、保育施設が市場原理により選別される仕組みを作るべきであり、おおいた維新の会は待機児童ゼロを実現するための子育てバウチャー制度を創設します。


【経済対策】

●分散型台帳技術を用いた地域通貨の発行

現在、世界の中央銀行がデジタル通貨を発行することを検討しています。日銀も将来分散型台帳技術を用いたデジタル通貨を発行するべきだと考えます。しかし、新しい技術をいきなり法定通貨に適用することはリスクが高いので、まずはミッションクリティカルではないところから、つまり地方の小規模なところから実験的に始めるべきです。この点、地方自治体が発行している地域通貨を分散型台帳技術を用いたデジタル通貨として発行することが望ましいと思います。
そうした試みは、日本で既に始まっています。茨城県かすみがうら市は昨年からブロックチェーンを活用した地域ポイント制度に取り組んでいます。市が主催する観光事業や子育て支援、健康イベントなどに参加すると、参加者は、スマホのアプリを通じてポイントが与えられ、それを市内の小売店や飲食店で割引分に利用できるという制度です。ポイントには使用期限が決められていて、地域内での消費を促進するため、早く使えば使うほど利用できる額が大きくなるようになっています。デジタル通貨では、こうした設定も簡単にできます。
導入事例をもう一つ紹介します。岡山県西粟倉村は、今年、ニシ・アワクラ・コインという仮想通貨を発行し、投資家に販売しました。ニシ・アワクラ・コインを所有する投資家は、村内で事業をスタートさせようとする起業家に投票することで事業構想に参画することができます。ニシ・アワクラ・コインは村内で地域通貨として使用されるので、地域振興に成功すれば、投資家はニシ・アワクラ・コインを村民に高値で売って、利益を出すことができます。これはイニシャル・コイン・オファリングと呼ばれる資金調達方法で、自治体は、資金の調達と民間主導の地域振興という一石二鳥の効果を狙うことができます。
大分県は、イニシャル・コイン・オファリングをしなければならないほどの財政難ではないので、地域通貨を発行する場合、かすみがうら市の事例が参考になります。
大分県は、平成15年から緑のボランティア活動支援券、平成18年からエコマネー「めじろん」という地域通貨を発行しましたが、どちらも平成20年で終了となりました。現在県が発行している地域通貨としては、「おおいた健康ポイント」や「おおいた子育てほっとクーポン」がありますが、キャッシュレス化を推進するという目的を達成するには、もっと幅広いジャンルの補助金をデジタル通貨で支給する必要があります。
県内のキャッシュレス化を推進するには、県内の市町村との協力も必要です。県と県内の各市町村が台帳を分散管理すれば、リップル型のコンセンサスアルゴリズムによるデジタル通貨を県内で発行することができます。そして、県と県内の市町村が支給する補助金をできるだけデジタル地域通貨で支給するのです。
デジタル地域通貨は、スマホに加え、マイナンバーカードで使えるようにします。マイナンバーカードには、マイキープラットフォームという自治体ポイントを使う仕組みがあるので、これを利用することで、理論的には全県民にデジタル地域通貨が使用可能になります。
補助金をデジタル地域通貨で支給することには、補助金の不正利用を防げるというメリットがあります。補助金は、一般に支出に制限があります。例えば、「おおいた子育てほっとクーポン」は、用途を子育て関係に限定しなければなりません。そのためには、デジタル地域通貨による取引履歴を法人番号とマイナンバーカードのマイキーで紐づけ、不正な利用がないかをオンライン上で監視できるようにする必要があります。
これに対して、現金は何にでも使えて、しかも現金決済は匿名性が高いので、補助金を現金で支給した場合、不正利用の摘発が困難になります。領収書を提出させても、領収書が偽造される可能性を排除できません。偽造防止という点では分散型台帳に優位性があります。
もちろん、幅広く使ってもらうためには、用途を限定しないデジタル地域通貨を国内外の法定通貨と交換可能にしなければなりません。こうすることで、県外や外国から訪れる観光客は、法定通貨をデジタル地域通貨に両替して、県内でキャッシュレス決済をすることができます。店舗は、QRコードを紙に印刷して、レジカウンターに貼っておくだけなので、導入コストはほぼゼロになります。分散型台帳技術を用いたデジタル地域通貨は、コストが安いので、クレジットカードなどとは異なり、県内で急速に普及することが期待できます。
さらに普及を後押しするために、県や市町村に収める地方税をデジタル地域通貨で納めることを認めることも考えてよいでしょう。デジタル地域通貨が普及すればするほど、より多くのデータが分散台帳を管理している県や市町村に集まってきます。そのデータの分析結果は、県内の経済政策を決めるうえで役に立つことでしょう。
以上のようなデジタル地域通貨の発行によるキャッシュレス化推進策を推進してゆきます。

【農業政策】

●トリジェネレーションの推進

トリジェネレーションとは、有機物燃料を燃焼させることで生み出される熱、電気、二酸化炭素をすべて有効活用する方法で、オランダの温室栽培は、トリジェネレーションを採用し、温度や二酸化炭素濃度をコンピュータに自動制御させることで、世界最高水準の単収を実現しました。トリジェネレーションは温室単位で行ってもよいのですが、小規模だと発電効率が落ちるので、大規模に火力発電を行い、発生する二酸化炭素を回収し、発電で生じる熱で熱して、それをパイプラインで各温室に送り込めるようにすればよいでしょう。
オランダは燃料として天然ガスを使っていますが、大分県では農業や林業が多くの有機廃棄物を排出しているので、そうしたバイオマスを燃焼させてトリジェネレーションを行えば、カーボン・ニュートラルな温暖化対策になります。バイオマスの燃え滓はリンなどの栄養塩を含んでおり、天然の肥料として使えます。大分県では、温泉の熱を利用した温室栽培をコンピュータ制御で行う研究を支援していますが、温泉は熱を供給しても二酸化炭素や無機塩といった肥料を供給しませんし、利用できる地域が限られるという欠点があります。
従来日本では、電力は電力会社が、熱はガス会社が、肥料は農協が提供しており、行政も、縦割りの弊害で、シナジー効果のある政策を打ち出すことができませんでしたが、農業の競争力を高めるためには、農業とエネルギー産業の垣根を取り払った総合的な産業育成が必要なのではないでしょうか。おおいた維新の会は大分の農業の生産性をオランダ並みに高めるために従来型のバラマキ延命農政とは一線を画す未来志向のイノベーションに取り組んで参ります


【産業振興】

●ドローン宅配を推進

大分県は、佐伯市宇目でドローン宅配の実用化に向けた実証実験を行っています。ドローン宅配には、ドローン自体の故障、ハッキング、バード・ストライキング、盗む目的での撃墜などによって落下しうるという問題があります。宇目では全国初となる10キログラム規模の運送を試みています。積載重量が大きいことは宅配の利便性を高めますが、他方でドローン自体の重量も大きくなるでしょうから、落下事故の際のリスクが大きくなります。
もとより、飛行ルートに人が住んでいなければ、万一落下しても人身事故という最悪の事態を回避できます。この点で、離島への運送にドローン宅配を使えば安全です。落下すれば商品ごと海中に沈むので、盗み目的の撃墜もないでしょう。県は、現在姫島ITアイランドなど、離島サテライトオフィスの整備を推進していますが、離島の場合、物流を海上輸送に依存することになり、時間もコストもかかるので、ドローン宅配に優位性があります。
楽天やアマゾンなど、ネット通販大手は、既にドローン宅配の実証試験を終えており、こうした企業の協力も得て、離島サテライトオフィスへのドローン宅配の実用化を始めてみるべきです。


【安心・安全】

●革新的技術の警察業務への活用

既に民間の警備業界では、防犯カメラで撮影した画像や動画のデータをディープラーニングの能力を持つ人工知能に解析させ、警備員が対応するべき事故や犯罪を瞬時に探知したり、さらには予測したりすることで、警備業務を効率化しています。県警にもこうした先進的なシステムを導入することで、業務のコストパーフォーマンスを改善するべきです。
人工知能に監視させることは、たんに人件費を削減したり、予測精度を上げたりすること以上のメリットがあります。警察が監視カメラを使うことに対するプライバシーや肖像権侵害の懸念を和らげることができるということです。
大分県では2016年の参院選の選挙期間中に民進党現職らの支援団体が入居する別府市の建物の敷地内に、県警別府署員が無許可で隠しカメラを設置し、人の出入りなどを録画していたことが発覚し、非難を受けました。
私有地に無断で隠しカメラを設置することが違法であることは言うまでもありませんが、警察が捜査のために監視カメラを使うことまでは否定されるべきではないと思います。人間が撮影されたデータに直接アクセスすることを禁止し、人工知能の判断だけが人間に伝わるようにすれば、プライバシーや肖像権侵害の問題が起きなくなります。
監視カメラは、犯人の捜索に役立つだけではありません。行方不明者の捜索、認知症患者の徘徊の監視、急病人、負傷者、火災の早期発見にも使えます。これまで、警察、救急車、消防車への通報は、人間が行ってきましたが、監視カメラを通じて人工知能に行わせることで、迅速な対応が可能になります。
以上の実現を目指しおおいた維新の会は革新的技術の警察業務への活用を推進してゆきます。

●医療情報連携ネットワークを構築

現在、日本の多くの病院は、患者の情報を電子カルテという形で電子管理しています。ところが、その情報は病院ごとに独自のファイル形式で管理されています。このため、患者が数千円ほどの診療情報提供料を支払って、それを他の病院に持って行っても、他の病院では、十分活用できません。
政府は、電子カルテデータの標準化の環境整備をすると言っていますが、かりに電子カルテデータを標準化することができたとしても、それによって、どこの医療機関でも患者の情報にアクセスできる医療情報連携ネットワークができるかといえば、かなり難しいというのが現状です。
医療機関のインターネットに対する不信感は強く、セキュリティを口実に、医療情報連携ネットワークの構築に向けて動こうとしません。大分県でも、県全体をカバーするネットワークはありません。
そこで国は、患者を一人のかかりつけ医やかかりつけ薬剤師に縛り付けようとしています。たしかに同じ医者や薬剤師が担当すれば、患者の情報の経年管理が容易になりますが、こうした制度は患者の選ぶ権利を著しく制限するものであり、賛成できません。また患者が転居するといった事態にも対応できません。
やはり、どの医療機関、薬局に行っても、過去の検査結果、電子カルテ、介護記録、服薬履歴といったデーターを参照できるようにすることが理想です。もちろん、これらは機微なデーターですから、そのプライバシーは最大限守らなければなりません。そして、そのための方法として、分散型台帳技術を使うことができます。
患者の医療情報そのものはサイズが大きいので、分散型台帳で管理できませんが、その情報のアクセス記録を分散型台帳で管理することならできます。いつどこでだれが自分の情報にアクセスしたかという記録が分散型台帳で管理され、改竄が困難になるのです。不正アクセスがばれるとわかってアクセスする人はいません。これで、たんにパスワードで保護するよりもセキュリティが高くなります。
エストニアやスウェーデンは、既にブロックチェーン技術を使って医療情報を国全体で共有することを実践しています。大分県も、国がなかなか動かないのであるならば、大分県内だけでも、医療情報連携ネットワークを構築することができます。
患者の医療情報をクラウド上に保存し、県と市町村で、情報へのアクセス履歴を分散型台帳技術を使って管理し、不正アクセスを防止したらよいのです。そして、各医療機関や薬局が、患者の許可を得て、情報をクラウド上に保存したり、参照したりできるようにすればよいのです。


【行政改革】

●県営メガソーラー事業を民営化

企業局が松岡太陽光発電所で稼働させている県営メガソーラー事業に関しては、採算がとれるかどうかという問題以前に、県自らが太陽光発電事業を行う必要があったのかどうか、大変疑問です。水力発電の場合、ダムは水道事業の水源として公共性があるので、少なくとも水道インフラの所有権は県が持つべきだという主張は理解できます。しかし、太陽光発電にはそのような公共性はないし、だから他の地域では、民間の事業者がメガソーラーの運営をするのが普通です。
松岡太陽光発電所は、当初、再生可能エネルギー導入促進のリーディングモデルという位置付けであったようですが、県がリーディングモデルを作らなくても、民間の事業者は高額に設定されていた調達価格目当てに太陽光発電に参入したでしょうし、むしろ参入する民間の事業者が多すぎることが今大きな問題になっているということを考えるなら、県営メガソーラーはやるべきではなかったと考えます。県営でやる必要がないなら、松岡太陽光発電所は民間に売却するべきであり、買い手が見つからないほど経営が成り立たないのなら、県の財政にとっても負担になるので、事業そのものを止めるべきです。

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