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政策提言 維新八策 2021

 

日本維新の会 政策提言
維新八策 2021

1. 「身を切る改革」と徹底した透明化・国会改革で、政治に信頼を取り戻す

2. 減税と規制改革、日本をダイナミックに飛躍させる成長戦略

3. 「チャレンジのためのセーフティネット」大胆な労働市場・社会保障制度改革

4. 多様性を支える 教育・ 社会政策 、 将来世代への徹底投資

5. 強く靭やかに国土と国民を守る危機管理改革

6. 中央集権の限界を突破する、地方分権と地方の自立

7. 現実に立脚し、世界に貢献する外交・安全保障

8. 憲法改正に正面から挑み、時代に適した「今の憲法」へ

 
 

    1 「身を切る改革」と徹底した透明化・国会改革で、政治に信頼を取り戻す


    議員待遇

    (1)定数・報酬

  • 国民との約束である「身を切る改革」を徹底するため、国会議員の議員報酬(歳費)・議員定数3割カットを断行します。
  • 3割カットが実現するまでの間、2014年より開始している歳費2割の自主カット(被災地等への寄付)を継続し、その情報を公開します。また、新型コロナ感染症の影響下においては、期末手当(ボーナス)3割カットも併せて行います。
  • 参議院の定数増に伴い定められた自主返納については、所属の参議院議員全員が上限金額による返納を継続し、参議院全体の返納状況の公開を適宜求めます。
  • 政府による臨時給付金などの施策が講じられた場合、党所属議員は受け取らず、被災地等への寄付を行います( 2020年は実施済)。
  • いわゆる「議員年金」の復活については、地方議会議員の厚生年金への加入を含め強く反対し、議員特権に対する厳格な姿勢を堅持します。

  • (2)文通費

  • 文 書通信交通滞在費(月 100万円)の使途を公開し、領収書添付を義務化します。義務化が成立するまでの間は 、自主的な取り組みとして領収書公開などの情報公開を行います。また、地方議員の政務活動費についてもネット公開を促進します。

  • (3)献金・寄付制度

  • 議員、政党への企業・団体・組合等による献金の全面禁止を求め、ネット献金を含めた個人献金を促進します。全面禁止の成立以前においても、所属議員は企業団体献金を受け取らない政治姿勢を堅持します。
  • 激甚災害を受けた地域への寄付やふるさと納税においては、政治家・議員からの寄付が違法とならないよう公選法を見直し、議員が率先して寄付文化に貢献できる環境を整備します。
  • 政治家本人や 後援団体の有権者に対する寄附が禁止されている一方で、政党支部の名義による線香・花代等の寄附が横行している現状に鑑み、政党支部からの寄付についても厳格な制限を設けます。
  • 政治家が自身の関係する政治団体に寄附する場合でも、税制上の利益を享受することが可能となっている現行制度を見直し、寄附金控除の特例及び所得税額の特別控除の規定から除外します。

  • 国会改革

    (1)総論

  • 国会で外交防衛と待機児童対策等の住民サービスが同列で議論されている現状を抜本的に改め、地方分権体制(道州制)への移行を前提に、政府と国会の役割は外交安全保障・マクロ経済などに明確に絞り込み、機能集中による体制強化を実現します。
  • 政府与党 VS無責任野党という構図を前提とした国会運営を抜本改革し、議員間討議・議員立法を活性化させるなど、国会の生産性を高めます。
  • 政策競争の場としての立法府を実現するため、国会議員同士の自由討議を復活させ、形骸化した審議の活性化を促進します。
  • 国際情勢の不確実性が増す中、日本のトップだけが突出して 国会に縛られる状況が続く現状をあらため、首相が 100日は海外に行けるような国会運営を行います。
  • 議院運営ルールを見直し、与野党が国会審議よりも日程闘争を優先する現状を改めます。
  • 永田町の人間関係に左右される閣僚人事を見直し、積極的な民間登用を図るなど、その所管について知見・専門性のある人材を登用します 。

  • (2)制度改革

  • 質疑・答弁の時間をしっかりと確保した「党首討論(国家基本政策委員会)」を定期的に行い、国会審議の活性化を図ります。
  • 与党による事前審査制度を見直し、委員会での法案審査については質疑だけでなく、 委員会の下に設置される小委員会で条文ごとの審査を行い、修正案を作成する機会を制度化します。
  • 議員立法の審議を積極的に行うため、閣法質疑・一般質疑の順で行われる委員会審議の慣習を改めるなど、議員立法の活性化を図ります。
  • 本会議、委員会の質問通告時間について各党が厳守するようルールを改めるとともに、通告時間と内容の事前公表を義務化します。義務化の前であっても、所属議員は自主的にネット等で公開を実施します。
  • 産休や介護、身体的ハンディキャップなど事情を持つ議員のオンライン出席、オンライン採決を認めるなど、国会運営 のリモート・ IT化を抜本的に進めます。
  • 国会改革を具体化するために立法府の在り方を検討する第三者委員会を設置します。また、日々の議会運営を改善するために議会活性化委員会を議院運営委員会内に設置します。
  • 委員長など各議院の役員等に対し、国会開会中に支給されている日額 6,000円の手当(議会雑費)は廃止をします。

  • (3)官僚負担削減

  • 官僚に対する恫喝的なヒアリングは慎むとともに、議員向けのレクチャー・意見交換についても公務員の働き方改革に合わせオンラインでの実施を推進するなど、国会対応による官僚の負担を軽減します。
  • 国会での業務全般のペーパーレス化に率先して取り組み、官公庁からの資料は極力データで受け取ることを徹底します 。

  • (4)政治とカネ

  • 大臣、副大臣、政務官による株式取引等の制限を厳格に運用し、法制化も視野に利益相反を防止します。
  • 「口利き」などの疑惑を防止するため、政官接触ルールの内容を見直し、国家公務員制度改革基本法を厳格に運用 します。
  • いわゆる「政治とカネ」の問題をめぐって、政治団体の収支報告書に不提出・不記載・虚偽記入があった場合に、会計責任者は処罰できても政治家 (代表者 )が責任逃れするケースが横行している現状に鑑み、政治団体の収支報告書については政治家(政治団体の代表者)も記載・提出義務者に位置付けることとし、直接処罰の対象とします。

  • 公務員改革

    (1)総論

  • 公務員を「身分」から「職業」とするため、公務員の過度な身分保障や評価制度を見直し、能力・実績主義の公務員制度改革を実行します。
  • 人口減少など新たな課題に直面する社会において、維持すべきは維持しながらも業務の合理化や権限移譲による適切な人員体制の見直しを行い、国・地方公務員の人員・人件費を 2割削減し、新たな財源を作ります。

  • (2)待遇・評価

  • 人事院勧告制度における官民給与比較のあり方を抜本的に見直し、民間より高い水準となっている公務員給与を適正化することで、官民間の実質的な「同一労働同一賃金」を実現します。
  • 公務員と民間との人材交流や人材流動化制度を強化するとともに、有名無実化している管理職の内外公募制を活性化し、官邸の恣意的運用のみ が目立つ内閣による人事権の一元化は運用を改善し て 国民全体のために働く行政組織を確立します。
  • 公務員の能力を最大限に引き出し、組織パフォーマンスを高めるため、適正な人員配置を行うとともに、柔軟な働き方や超過勤務削減、在庁時間に基づく適切な手当の支給を行い、公務員のワークライフバランスを推進します。
  • 公務員の再就職について、手続きの透明性と公平性を確保し、斡旋禁止の法制化と求人方法を厳格化することで、いわゆる「天下り」を根絶します。
  • 公務員および公務員労働組合による選挙活動を総点検し、特定政党の機関紙購入を含む勤務時間中の政治活動の禁止を徹底します 。

  • 行政改革

    (1)情報公開・透明性向上

  • マイナンバー法を改正して使途を拡大し、マイナンバーの「フル活用」を推進します。マイナンバーとすべての銀行口座の紐づけを義務化すること等を通じて収入と資産を捕捉するとともに、戸籍から不動産登記、外国人在留管理までを紐付 けし、ワンストップサービスの拡張、有事の際の給付金の速やかな支給など、透明で公平公正、迅速な行政施策の実施を実現します。
  • 独立した権限を持つ「公文書院」を新たに設置し、公文書管理が各省庁に任されている杜撰な現状を改め、公正中立な機関と文書管理の専門家が適切に管理する仕組みを構築します。将来的には、公文書院の憲法機関化も検討します。
  • 公文書の管理・保存については総デジタル化を原則とし、ブロックチェーン技術等の導入により徹底した書き換え・改ざん防止の仕組みを構築します。
  • 行政内部のあらゆる会議について議事録作成 を義務付けるとともに、公文書の廃棄禁止を法令で定め、厳正な記録の作成と永久保存を図ります。
  • 公文書・議事録の公開につき、安全保障上の懸念や外部有識者への配慮の必要性がある場合は公表する時期を一定期間後にするなどの対策を講じつつ、原則としてすべて迅速な公開が行えるよう抜本的にルールを見直します。
  • 閣僚・官僚のメールやメッセージアプリなどについて、公文書として扱うことを検討するなど、政策意思決定について合意が形成された証拠となる文書だけでなく、合意に至った経緯・過程を公文書として残す仕組みづくりを 実践 します。
  • 国民の関心が高く、重要な政策決定にかかわる会議については、ネット中継でフルオープンにするなど情報公開を徹底する取り組みを導入します。
  • 政策立案過程における EBPM(証拠に基づく政策形成)の実施を徹底し、行政活動の PDCAサイクルを確立するとともに、会計検査院など行政機関外部からの評価と関与をより拡充させます。

  • (2)組織改編

  • 内閣による弾力的な省庁再編を可能にするほか、財務省主計局から内閣予算局(仮称)に予算の企画立案機能を移管するなど、内閣主導体制の強化を図ります。
  • マイナンバー連携の拡大に併せて国税庁と 日本年金機構等の社会保険料徴収部門を統合した「歳入庁」を設置することで、税と社会保険料を一体徴収し、業務効率化と不公平是正を図ります。
  • デジタル庁の新設に留まらず、デジタル時代に相応しい調達制度や人事制度を構築します。具体的には、建設技官や医系技官と並ぶ情報系技官のキャリアトラックを整備するとともに、法務省の保護司のような「情報(デジタル)司」制度の創設を検討し、政府と社会のデジタル化を短期間に達成します。

  • (3)会計制度

  • 国の財政状況を極めてわかりづらくしている特別会計については、抜本的な見直しと整理を行います 。

  • (4)民営化

  • 官民ファンドや基金などの政府資産の整理や売却、独法等の政府関係法人の民営化を進めます。
  • JTや日本郵政、東京メトロ、 NTT、日本政策金融公庫、日本政策投資銀行、国際協力銀行はじめ政府関係機関の保有株式を原則全て売却し、民営化による業務効率化を行うとともに、売却収入によりコロナ復興・震災復興の財源を確保します 。

  • (5)司法制度

  • 冤罪根絶のため、任意捜査段階での取り調べ可視化の義務範囲を拡大するとともに、国際標準である取調べにおける弁護人の立会いについて検討を進めます。
  • 公判前に裁判官・裁判員や世論の予断を生じさせている、捜査機関や関係者による事件に関連した「情報リーク」がないよう、守秘義務の遵守徹底と厳格な調査・処分を行います。
  • 法務省の民事局長に裁判官を採用する慣行、刑事局長に検察官を採用する慣行を見直し、国民に信頼される行政と司法の関係を構築します。
  • 子どもの権利条約の遵守に必要とされる迅速な司法関与を行うため、裁判官の適切な配置、弁護士を活用する非常勤裁判官制度などの司法改革を進めます。
  • 少年法の対象年齢を選挙権や民法に合わせて「 20歳未満」から「 18歳未満」に引き下げ、 18歳・ 19歳の若者に大人としての権利と責任を認めます 。

  • 選挙制度改革

    (1)ネット投票

  • ブロックチェーン技術等を活用したインターネット投票(スマホ投票)の実現を目指すとともに、マイナンバーカードを活用したコンビニ投票を導入するなど投票方法の多様化を進めます。

  • (2)公選法

  • ポスター掲示場のデジタル化の促進やビラ・ポスターへの証紙貼り等の無駄な規制の撤廃により、選挙活動の負担軽減と合理化を図ります。
  • 戸別訪問の解禁やネット選挙運動の規制緩和・討論会の充実により、名前連呼の選挙から政策を語る選挙への転換を図ります。

  • (3)選挙区・制度

  • 「一票の格差」解消を目指し、特に現状では地域代表の側面を備えている衆議院議員の選挙区割りについては、定数削減も含めた改善を早急 に行います。
  • 参議院については衆議院と差別化が困難な現状に鑑み、議員選出のあり方を見直し、自治体首長と参議院議員の兼職禁止規定を廃止するなど、衆院との機能分担を明確化した抜本改革を行います。
  • 二重国籍の可能性のある者が国会議員となっていた事例に鑑み、外国籍を有する者は被選挙権を有しないことを定めるとともに、国政選挙に立候補する者は自らの国籍の得喪履歴の公表を義務づけます。
  • 衆参両院の被選挙権年齢を 18歳に引き下げるとともに、供託金の金額を年齢に応じて見直すなど、間口を広げて多くの選択肢から有権者が判断できる 環境を整備します。
  • 投票率の低下や人口動態により、特定世代の影響力が顕著に弱まる現行選挙のあり方を聖域なく議論し、子どもに投票権を与えて親がその投票を代行する「ドメイン投票方式」等の導入を検討します 。

  • 2 減税と規制改革、日本をダイナミックに飛躍させる成長戦略


    税制改革

    (1)総論

  • 長期低迷とコロナ禍を打破するため、 2年(目安)に期間を限定した消費税 5%への引き下げを断行します。引き下げ期間終了については経済状況を考慮し、将来的な地方税化と税制改革を合わせて検討します。
  • 成長のための税制を目指し、消費税のみならず所得税・法人税を減税する「フロー大減税」を断行し、簡素で公平な税制を実現します。
  • フロー大減税を行うと同時に、ストック課税はそのあり方を見直すなど、「フローからストックへ」を基軸とした税体系全体における抜本的な改革を行います。
  • 高額所得者ほど総所得に占める金融所得の割合が高く、所得税負担率に逆累進性が働いている現状を改善し、総合課税化とフラットタッ クス導入を含む税制改革により課税の適正化・格差是正を図ります。
  • 既得権益化した複雑な租税特別措置法を廃止し、「簡素、公平、活力」の税制へと転換を図ります。
  • マイナンバー制度の活用や銀行口座との紐付けにより、個人・法人の資産と収入を正確に把握し、効率的かつ公平で抜け漏れのない徴税を行います 。

  • (2)財源移譲

  • 地方公共団体の自主財源を適切に確保するため、国と地方公共団体による税財源の配分を見直し、恣意的な偏在是正措置を伴う非合理な地方法人税は廃止します。
  • 消費税は地方自立のための基幹財源と位置づけ、税率設定を地方に任せた地方税へと移行します。

  • (3)投資促進

  • エンジェル税制のさらなる促進や、ストックオプションにかかる課税等の一層の見直しにより、投資を促す税制度を整備します。
  • 交際費への課税を大幅に見直し、負担を軽減することで企業・経済活動のより一層の活性化を促します 。
  • 投資促進に寄与している少額投資非課税制度( NISA)については、時限措置ではなく恒久措置とし、特につみたて NISAは投資枠の上限拡大を図るとともに、開始時期にかかわらず 20 年間のつみたて期間が確保されるよう制度期限を延長します。

  • 財政政策

    (1)マクロ経済

  • 中央銀行をもつ国家と地方自治体は異なることを前提に、長期に渡る不況と低金利にコロナ禍が加わった現状に鑑み、将来世代の負担と過度なインフレを招かない範囲で積極的な財政出動・金融緩和を行います。
  • コロナ禍により赤字幅が拡大することが確実な基礎的財政収支(プライマリーバランス)について、現実的な黒字化の目標期限を再設定したうえで、経済成長/歳出削減/歳入改革のバランスの取れた工程表を作成し、増税のみに頼らない成長重視の財政再建を行います。

  • (2)会計制度

  • 「財政の見える化」のため、国・地方の財政制度に発生主義会計と複式簿記を導入し、公会計制度改革を実行します 。

  • 金融政策

    (1)日銀・地銀

  • 新型コロナウイルスによる影響が続く現状においては、諸外国の対応に十分留意しながら、必要かつ十分な金融緩和を継続します。同時に、常態化している「異次元の金融緩和」における出口戦略の策定に着手し、金融緩和と財政出動に過度に依存しない体制づくりを進めます。
  • 日銀の会計処理につき、民間金融機関同様に簿価会計ではなく時価会計を導入させ、日銀財務の健全性を明らかにします。
  • 地方銀行、地域金融機関におけるデジタライゼーション(デジタル化)を促進し、 新たな 社会環境に対応できるよう自立的な業務改善・収益力強化を図ります 。

  • (2)デジタル通貨・仮想通貨・フィンテック

  • 特区を用いた実証実験を行うなど、中央デジタル通貨( CBDC)の研究開発を進め、諸外国に乗り遅れないよう目標期限を定めた積極的な導入検討を行います。
  • 暗号資産税制の改正を行い、暗号資産を利用した資金決済分野の革新を後押しするとともに、ブロックチェーン技術の研究開発を進め、暗号資産の分野で世界をリードする先進国の立場を取り戻します。
  • フィンテックはじめ金融サービスのイノベーションを推進するため、銀行・証券・保険の垣根を超えた規制改革を推進します。

  • (3)外資誘致

  • 特区の活用を含めて税制見直しや多言語対応・在留資格の緩和を推進し、日本国内に香港に代わる新たな国際金融都市を創り出します 。

  • (産業別)成長戦略

    (1)総論

  • すべての産業分野において、競争政策3点セットとして①供給者から消費者優先、②新規参入規制の撤廃・規制緩和、③敗者の破綻処理が行われ再チャレンジが可能な社会づくりを実現します。
  • 特に規制改革については「事前規制から事後チェック」への移行を目指し、過剰な事前規制が阻んできたイノベーションを促進します。根強く行政に残る過剰な規制については、客 観的な指標や 2:1ルール1つの規制を新設するためには 2つの規制を撤廃する)の導入により、段階的に削除していくことを目指します。
  • 公共工事の拡大ではなく、日本の競争力を高めることに徹底した競争政策を実施します。
  • 企業のモラルハザードが横行し特許侵害がやり得になっている現状に鑑み、実効性のない刑事罰は廃止し、特許が尊重されるよう法律を整備します。

  • (2)情報通信・テクノロジー

  • 特区活用や世界最先端の日本型スーパーシティの実現等により、モノのインターネット( IoT)、ビッグデータ、ロボット、人工知能( AI)等の 技術革新を生かせる競争環境を構築します。
  • IoT、AI分野の普及・実用化を進めるため、世界共通のプラットフォームに積極的に参加するとともに、衛星データ等国家が保有する情報を積極的に開放し民間利活用を促進するオープンプラットフォーム拡大、データ流通市場の創生支援を行います。
  • 行政が保有するデータは特段の理由がない限りオープンデータとする「オープン・バイ・デフォルト」の理念を推し進め、国・地方自治体のオープンデータ化について具体的目標を設定するとともに、都市に存在する膨大なデータを蓄積・分析し他の自治体や企業、研究機関などと連携するシティ OSの実装を進め、 AI化と都市のDX(デジタルトランスフォーメーション を進展させます。
  • システム開発の遅れ・不具合などコロナ禍で判明した日本の IT業界が抱える問題を直視し、IT化の主張目的が「コスト削減」に留まっている企業体質と状況を改善し、健全な競争環境を整え ITによる製品・サービスの開発強化を促します。また、ユーザー企業のシステム開発委託体質(多重下請け構造)からの脱却を図り、エンジニアが正しく評価され力を発揮できる環境を整備します。
  • 周波数帯によっては電波が有効に利用されていないことを踏まえ、周波数オークション導入のため必要な法改正を行います。
  • 規制官庁である総務省が肥大化している弊害に鑑み、放送・情報通信に関する行政のうち、規制に関するものを総務省から分離し、新設する独立行政委員会に移管します。
  • 電波利用料の引き下げにより、電波を電力のスマートメーター、遠隔医 療はじめ多様な通信サービスにおいて活用できるよう促進します。
  • 官民において対面・書面交付原則の見直しや、AI活用・決済の 100%電子化・印鑑廃止など、DXの徹底による業務効率の改善を促進します。
  • クレジットカードや電子マネー、 QRコード決済など、キャッシュレスによる方法での税・保険料・手数料の受付を拡大するため、受け取り体制の整備を促進します。
  • 通信事業者に対する公共施設の空間開放を積極的に行い、5G基地局や Wi-Fi設置の拡充を推進します。
  • 放送と通信の大融合時代に相応しい放送・電波制度のあり方を検討するとともに、 NHKを公共 NHKと(民間とイコールフッティングで競争する)民間 NHKとに分割し、 NHK受信料制度の抜本改革を断行します。

  • (3)中小企業対策

  • 「下請けいじめ」等を防止するため、独占禁止法の優越的地位の濫用禁止規定や、下請け代金支払遅延等防止法を厳格に運用し、中小零細企業が親会社を含めた大企業との取引で契約通りの支払い等を受けられる環境整備を推進します。
  • 災害復興時に地元の中小零細建設業の利活用が必要なことから、国の出先機関の発注する公共工事では、当該地域の中小零細企業の受注割合は5割程度を目途に定めます。
  • 中小企業の円滑な事業承継の実現に向けた税制の見直しをさらに推し進め、第三者による承継(M&A)を後押しすることで、地域の雇用を守り、中小企業の技術やノウハウの喪失を防ぎます。
  • 中小企業経営者の個人保証が、経営者として再起を図る機会の障害や、個人の経済的破綻等の原因にもなっていることに鑑み、会社の救済と個人の救済を明確に区別するため、個人保証の廃止を含めた見直しを検討します。
  • 地方銀行、地域金融機関におけるデジタライゼーション(デジタル化)を促進し、新たな社会環境に対応できるよう自立的な業務改善・収益力強化を図ります。(再掲載)

  • (4)医療・介護

  • IoT、 AI導入やビッグデータの活用、5G通信の実験などにより、医療・健康分野の産業化・高度化を推進します。
  • 診療報酬点数の決定にあたり、医療サービスの需給バランスを通じた調整メカニズムを導入します。
  • 患者が望む先進医療を適時適切に受けられる よう、混合診療を解禁・推進します。
  • 医療法人等の経営・資金調達方法については、規制を大幅に緩和し、より患者や利用者のニーズを満たす事業運営を可能にします。
  • 医療品販売に代表される過度な対面販売規制等を見直し、利便性の向上と ITビジネスの活性化を図ります。

  • (5)農林水産業

  • 減反政策の廃止を徹底し、コメ輸出を強力に推進します。また、戸別所得補償制度の適用対象を主業農家に限定します。
  • 農協法の更なる改正により、地域農協から金融部門を分離し、また地域別に株式会社化することで、「農協から農家のための農業政策」へ転換を図ります。
  • 農協の地域独占体制を改善するために、農協に対する独占禁止法の適用除外規定を廃止し、複数の地域農協の設立を促進するなど、競争環境を整備します。
  • 農地法改正により、株式会社の土地保有を全面的に認め、新規参入を促進します。同時にゾーニングと転用規制を厳格化し、農地の減少を食い止めます。
  • 企業による農地取得やコメ先物取引の本上場など、必要な成長戦略がいわゆる「族議員」と農水省 によって次々に頓挫させられてきた現状に鑑み、一次産業のイノベーションを阻む農水行政のあり方は抜本的に見直し、農水省は解体的な改編も視野に組織改革を行います。
  • 農業委員会のあり方を見直し、必置規制を廃止するなど、その判断を自治体に委ねる農政の地方分権改革を進めます。
  • 種苗の開発者の育成者権を守り、種苗の不正な海外流出を防ぐ環境を整備するとともに、積極的に研究開発を行う農家・開発者による新たなビジネスモデルの構築を支援します。
  • 国民病となっている花粉症対策として、無花粉・少花粉スギ等の植栽面積の拡大と花粉を出す樹齢のスギ等の伐採を推進します。
  • 国産材の需要拡大を図るため、国産木材の積極的な活用を支援し、森林の適正な保全に繋げます。
  • 改正鳥獣被害防止法を積極的に活用し、鳥獣の捕獲等について専門的な知識経験を有する者を育成するとともに、ジビエとしての加工・流通・販売のための衛生管理の高度化を促進します。
  • 水産業における乱獲防止のため、漁獲量を科学的に管理し、割当て制の導入を促進します。
  • 外交を通じて日本周辺海域及び世界各地域における乱獲や不当操業を防止し、漁業資源の保全を図ります。

  • (6)観光・エンタメ産業

  • ギャンブル依存症対策の大幅な充実・不正を防ぐ徹底的な情報公開を前提に、地域事情に合わせてシンガポール型の統合リゾート( IR)を推進します。コロナ禍で海外資本の参入が厳しくなった現状に鑑み、ライセンス期間の延長など必要な法改正を検討します。
  • 既得権となってきたパチンコのグレー規制を見直し、パチンコは遊戯ではなくギャンブルとして位置づけ課税することも視野に、パチンコ産業の健全化に向けた法整 備を行います。
  • 表現の自由を最大限尊重し、マンガ・アニメ・ゲームなどの内容に行政が過度に干渉しないコンテンツ産業支援を目指します。 MANGAナショナルセンターの設置による作品アーカイブの促進、インバウンドを意識した文化発信やクリエイターの育成支援などを行います。
  • 文化的コンテンツ等をデジタルデータとしてブロックチェーン上に記録したいわゆる NFT(非代替性トークン)について、イノベーションを阻害しないルール作りによる市場の拡大支援を行い、日本の強みである マンガ・ アニメ・ゲーム等のコンテンツ産業・アート市場のさ らなる発展を後押しします。
  • 新型感染症により大きな影響を受けた観光産業について、中央政府による画一的な助成支援ではなく、地方自治体主導による各地域経済圏からの段階的な振興政策を打ち出します。
  • ナイトエコノミーを支える風営法対象業者については、感染症拡大時のガイドライン策定や法整備を行うとともに、警察と連携して平時においても違法業者の取締を強化します 。

  • (7)運輸・交通

  • 財やサービスの所有から利用への転換を見越し、ライドシェアや民泊普及の障壁となる規制を撤廃し、シェアリングエコノミーを強力に推進します。
  • 世界的な開発競争が生じている自動運転の国内技術発展を支援し、公道実験の推進等により早期の実用化を図ります。
  • ライドシェアにおける複数の交通サービスをITで統合し、一括して予約・決済する仕組みを導入するなど、 MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)をより一層推進します。
  • 東京メトロの政府保有株式を売却し、東京メトロと都営地下鉄の一元化を早期に実現し、利用者・観光客の利便性向上を実現します。
  • 地方空港を「選択と集中」により整理し、国際ハブ空港の機能を強化し、空港民営化と質の向上を推進します 。

  • (8)芸術・科学・スポーツ文化振興

  • 2025年大阪・関西万博の成功に向け、国と開催都市、官民が強力に連携して国内機運の醸成に努めます。またその関連事業は会場周辺のみならず大阪府全域を始め、関西や全国へと拡大・展開します。
  • 科学立国の礎となる基礎研究について、十分な研究費を確保するとともに、若手を中心とする多様な人材が活発に研究できる環境づくりを推進します。
  • 国立国会図書館や国立大学に所蔵されている書籍、貴重図書、資料などのデジタル化を推進し、アーカイブの積極的な活用を図るとともに、デジタルアーカイブを担う人材の育成を行います。
  • 施設等の箱モノ整備や補助金支給にとどまりがちな文化芸術施策を見直し、文化施設のコンセッション方式やアーツカウンシルの導入を促進するとともに、各種法令の規制緩和を行うなど、芸術家等が自立して活動・発表できる機会を多面的に提供します。
  • 若年層が文化芸術に触れる機会を増やすため、18歳から25歳までの若者が無料あるいは低額で文化芸術にアクセスできるような「カルチャーパス」クーポンの仕組みを検討します。
  • 障がい者スポーツを含む各種競技の国際大会の招致を推進し、スポーツによる都市魅力の向上、地域経済の活性化・健康増進を図ります。
  • 市場規模の拡大や教育効果が期待される「 eスポーツ」について、国際大会の積極的な招致を行うなど、官民が連携してその普及・促進を図ります。

  • 3 「チャレンジのためのセーフティネット」大胆な労働市場・社会保障制度改革


    社会保障制度

    (1)総論

  • 「チャレンジのためのセーフティネット」構築に向けて、給付付き税額控除またはベーシックインカムを基軸とした再分配の最適化・統合化を本格的に検討し、年金等を含めた社会保障全体の改革を推進します。
  • (2)年金・社会保険・ 最低所得保障

  • 社会保険としての受益と負担をバランスさせるため、受益(給付)と負担(保険料)を明確化し、適正な保険料の設定・適正な給付を実現します。
  • 現行の公的年金を継続する場合は賦課方式から積立方式に移行し、原則として同一世代の勘定区分内で一生涯を通じた受益と負担をバランスさせることで、 払い損がなく世代間で公平な仕組みを構築します。
  • 最低所得保障制度 (給付付き税額控除またはベーシックインカム)の導入に伴い在職老齢年金制度等を見直し、高齢者の労働意欲を削がないような社会づくりを目指します。
  • 医療費の自己負担割合につき、年齢で負担割合に差を設けるのではなく、所得に応じて負担割合に差を設ける仕組みに変更します。
  • 国民健康保険については、スケールメリットを活かせる広域的な運営を推進します 。

  • 雇用・労働政策

    (1)流動化・生産性向上

  • 「負の所得税」同様の考え方を実現するため、給付付き税額控除あるいはベーシックインカムの導入を検討し、就労意欲の向上と雇用の流動化を図り、労働市場全体の生産性と賃金水準の向上を実現します。
  • 解雇ルールを明確化するとともに、解雇紛争の金銭解決を可能にするなど労働契約の終了に関する規制改革を行い、労働市場の流動化・活性化を促進します。同時に、労働移動時のセーフティネットを確実に構築し、フレキシキュリティ(柔軟性+安全性)の高い社会を目指します。
  • 法律施行後も実態が伴わない「同一労働同一賃金」を実現するため、国の責 務として、労働移動を阻害する年功序列型の職能給から「同一労働同一賃金」を前提とする職務給への転換を促進します。
  • 「ジョブ型」雇用への転換促進のため、労働基準法を改正し、企業が労働時間ではなく仕事の成果で評価できることを可能にし、被雇用者を法的に保護します 。
  • いわゆる「エッセンシャルワーカー」を中心とする労働集約型の企業が持続・成長可能な税制を整備します。具体的には、被用者の待遇・賃金水準の向上を目指し、労働分配率の高い企業に減税などのインセンティブを講じます。

  • (2)雇用促進

  • インターバル規制をはじめとするシニア向け労働法制の整備や、低賃金労働者等に向けた給付付き税額控除の一種である勤労税額控除の導入など、勤労インセンティブを与える仕組みを検討します。
  • 深刻化する就職氷河期(ロスジェネ)世代の課題に正面から取り組み、非正規雇用者は柔軟で多様な働き方と再チャレンジができるよう、職業訓練や社会保障の強化を進めるなど環境を整えます。

  • (3)権限移譲

  • 労働市場のニーズを踏まえ、公的職業訓練を徹底的に見直すとともに、ハローワーク(公共職業安定所)の国から地方への移管などにより、住居・生活・福祉などの支援を一体的に提供し、地域の実状や強みを活かした労働市場の創出を目指します 。

  • 医療・介護

    (1)IT化・オンライン診療

  • 迅速な医療情報の共有化により医療の質の向上や重複する処置の削減等を進めるため、電子カルテの標準化を促進し、普及率 100%を目指します。
  • レセプトチェックのルール統一を行い、国民皆保険制度の元で AIやビッグデータを活用することで、医療費の適正化と医療の質の向上を同時に実現します。
  • 医療現場と患者の負担軽減や感染症対策のため、オンライン診療・服薬指導については診療報酬体系や利用要件のさらなる見直しを進め、安全性を確保したうえで、国民にとって使いやすいものにしていきます。

  • (2)制度改革・施策推進

  • 患者や利用者がよく理解できるよう、診察報酬・介護報酬の決定プロセスを透明化し、その体系を簡素化します。
  • 診療報酬について、現在の受診の量に応じた出来高払い( pay for service)の仕組みから受診の質・価値への支払い( pay for performance)への移行を進めます。そのため には不可欠なデータ活用については、電子カルテの標準化や電子処方箋の普及を通して医療情報のデータベース化を促進します。
  • 医療保険に保険料割引制度を導入します。具体的には、定期的な検診受診者や健康リスクの低い被保険者などの保険料を値引きすることで、一人ひとりが健康価値を高める行動を起こすインセンティブを設けます。
  • 地域における医療と介護の切れ目ないサービス提供ができるよう、在宅医療・在宅介護の質・量を高め、初めて経験する人でも安心して使える地域包括ケアシステムを構築し、医療・リハビリ・介護・福祉の連携によるいの ち輝く未来社会を実現します。
  • いわゆる「待機高齢者」問題等の介護施設不足の解決のため、介護サービスでの地方分権と規制改革を行い、ニーズを適時・的確に把握できる体制を整えます。
  • 病気や要介護になることを防ぐ一次予防・健康増進を図るとともに、先進自治体のモデルの横展開を進め、介護予防・予防医療の取り組みを一層推進します。
  • 介護と保育に関するニーズの変化に柔軟に対応するため、老人ホームと保育所を一体化させた複合施設の設置基準は、自治体が決定できるよう権限移譲・規制緩和を行います。
  • 自立支援に軸足を置いた介護を推進 し、またがん検診・特定検診の受診率を向上させ、健康寿命の延伸に注力します。
  • 改正健康増進法の周知徹底を図り、受動喫煙防止の徹底に努めるとともに、屋外喫煙所のあり方を改善するなど、きめ細やかな受動喫煙対策を推進します。
  • 認知症支援施策の充実を図り、高齢者とその家族が安心して暮らせる社会を実現します。
  • 介護現場で働くすべての方の待遇・職場環境改善を行い、また、介護・福祉の現場で活用できるロボット開発・テクノロジー導入を支援し、介護人材への負担の軽減と職場への定着(離職防止)と成長産業化を図ります。

  • (3)尊厳死・平穏死

  • 自己決定権の一部としての「尊厳死(平穏死)」について、賛否の意見を集めた幅広い議論・検討を率先します 。

  • 新型コロナ対策

    (1)法改正・分権

  • 有事の際に病床や医師・看護師などの医療従事者の確保を可能とするため、十分な経済的補償を前提とした上で、医療機関・医療関係者に対する実行力のある要請・命令が行えるよう法整備を行います。
  • 休業命令や経済的補償を付加したうえで都道府県知事に権限を移譲する新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正を行い、都道府県と国の合意形成に必要な手続きを整え、地方が地域事情に応じて機動的に感染症対応を行える体制を確立します。
  • 道州制の理念の下、隣接都道府県では情報や医療資源の共有化をはかるなど、相互補助できる体制を構築します。
  • 感染症法を改正し、国民が検査や医療を受けることができる権利を明確にすることで、安心して日常生活を送れる環境を整備します。また、「指定感染症」と昨今の医療提供体制・保健所体制が適正に両立して国民を守れるような 仕組み を早急に確立します 。
  • 感染症拡大局面において、災害派遣に関する自衛隊法の枠組みを活用し、全国あるいは地方ブロック毎に重症病床を融通し患者を配転する仕組みを整備します。
  • 有事の感染症局面においては、一定の臨床的効果を確認した段階で治療薬の緊急使用を許可し、通常の治験手続きに囚われることなく治療の選択肢を提示できるようにします。
  • コロナ禍において国民や企業の自粛頼みに甘んじ、実質的には法的根拠なく自由を奪ったと評価される事態に至ったことを踏まえ、有事の際の指揮命令系統等に関し、危機対応ガバナンスを確立するための法改正・憲法議論を積極的に行います。

  • (2)制度・予算

  • 人員配置や設備面で急性期の受け入れ能力がない中小病院が過多になっている現状を精査し、医療提供体制の再編を強力に推進します。特に有事の際に保健所と開業医の協働が機能不全状況に陥ったことに鑑み、開業医 (かかりつけ医 が入院判断などについて積極的に関与し、きめ細やかな指示を患者に行うなど、医療機関へ適切な要請・対応ができる仕組みを構築します。
  • 国産ワクチンや治療薬の研究開発・生産体制について、大胆な投資を行うなど安全保障の観点から抜本的に強化し、実用化の際には十分な量が国民に確保・供給できる体制を確保します。
  • 新型コロナウイルス感染症患者の受け入れ等により経営状況が悪化した医療機関に対する適切な支援を行い、持続可能な医療体制を構築します。
  • 感染症の対応にあたる「日本版 CDC」を首都圏と関西圏に 1か所ずつ整備し、感染症対策を万全に行います 。
  • 市区町村や大規模会場、更には大企業の職域接種に加えて、商工会議所や協会けんぽとも連携した中小企業の職域接種も実施し、国全体でのワクチン接種を加速化させます。
  • ワクチン接種を受けることができない者への不当な扱いを防止しつつ、ワクチンパスポートを感染防止措置の一環として積極的に活用 します。

  • 4 多様性を支える 教育・ 社会政策 、 将来世代への徹底投資


    教育

    (1)無償化・予算措置

  • 家庭の経済状況にかかわらず、等しく質の高い教育を受けることができるよう、義務教育の他、幼児教育、高校、大学など、教育の全過程について完全無償化を憲法上の原則として定め、給食の無償化と大学改革を併せて進めながら国に関連法の立法と恒久的な予算措置を義務付けます。
  • OECD加盟国で最下位となっている教育予算の対 GDP比を引き上げ、教育への公的支出を他の先進国レベルに向上させます。
  • 教育バウチャー(塾代バウチャー)制度の導入・普及に努め、教育機会を拡大するとともに、多様なプレイヤーの競い合いによる教育の質と学力の向 上を目指します 。

  • (2)制度改革

  • 大学入試改革における英語試験については、経済格差や地域格差、障がい者対応などに十分に配慮した上で、民間試験導入を進めます。
  • 新型コロナを機に検討された9月入学制度については、海外大学と入学時期を一致させ海外留学を円滑化するとともに、優秀な外国人学生の確保による大学の国際競争力向上につながることから、引き続き導入に向けた積極的な議論と検討を継続します。
  • 教育委員会の必置規則を見直し、教育行政制度について自治体の選択制とすることで、文科省を頂点とするピラミッド型教育行政から地方分権型教育行政への転換を図ります。
  • 公設民営学校の設置等、地方の発意で多様な教育のあり方を可能にする制度を整備します。また学校設置基準を見直し、学校のあり方についても多様化を促進します 。

  • (3)教員待遇

  • 校務分掌や部活動の見直し、校務の情報化の推進などを通じて教員の負担軽減を図り、教育に専念できる体制を整えます。
  • 教員養成課程・採用試験・兼業副業規定等の見直しなどを含めた教員免許制度の抜本的な改善を通じて、社会経験を経た多様な人材が教員として活躍しやすい環境を促進します。

  • (4)カリキュラム

  • 学校での授業と 企業等でのインターンシップを並行して進め、切れ目なく職業人を育てる「デュアルシステム」によるキャリア教育の導入と、それに柔軟に対応できる「飛び級制度」整備を推進します。
  • 小中学校での必修科目に「ディベート」を設け、国際社会で活躍できるスキルの早期取得を促進します。
  • 高校、大学における「飛び級」進学・入学や、必要に応じた十分な留年・再学習を認めると同時に、各種資格についても年齢要件を見直し、教育を年齢主義から修得主義とすることで、日本社会の根底にある年齢主義構造の改革を行います。
  • インターネットの発達などによる児童・生徒の性意識・性知識の早熟化に対応するため、性的リスクなどに対する知識を発達段階に応じて教えられるよう、教育現場における指導方法や教員の対応及び学習指導要領を適切に見直します。
  • 特に若年層で政治への関心が低いことに鑑み、主体的に考えて議論し、意思決定を促す取 組を含めた主権者教育(シティズンシップ教育)を充実・強化します。
  • 地域の歴史に関する調査・教育活動を支援するとともに、教養・教訓的観点のみならず主権者教育の観点からも、近現代史を中心とした歴史教育のさらなる改善・充実を図ります 。

  • (5)ICT化

  • コロナ禍を契機として急速に進んだオンライン教育体制の効果・課題をしっかりと検討し、コンテンツの充実やきめ細やかな ICT端末の有効利用を図り、学力格差の是正や教員の勤務環境の改善策を講じます。
  • デジタル教科書については完全無償化するとともに、個人情報に配慮しながらデジ タル教科書を使用した生徒のビッグデータを活用し、最新テクノロジーを駆使した効率的・効果的な学習支援を行います。

  • (6)不登校・いじめ対策、特別支援

  • 臨床心理士・公認心理師を始めとする常勤スクールカウンセラーの配置を全国的に促進し、いじめや不登校など学校内で生じる問題解決を図ります。
  • 不登校児が通うフリースクールの単位参入認定を促進する等、現行の学校や教育に馴染めなかった児童・生徒に多様な居場所を提供します。
  • 障がい児への学習・キャリア支援の改善に向けて、教員免許取得時のカリキュラム改善や部門別採用などを通じ、専門知識をもった教員の育成に努めます 。
  • 障がい児がライフステージを通じて一貫した療育支援を受けられるよう、療育 (発達支援 )施設の拡充など地域における療育支援体制を構築します。
  • 教員から子どもへのわいせつ事件が後をたたない事態に重く鑑み、教職免許を再交付しないことを可能とする立法に続 き、過去の性犯罪経歴の照会や無罪証明書の発行ができる「日本版 DBS」の創設を検討します。

  • (7)生涯教育

  • 生涯にわたり学びと就労の機会を提供するため、リカレント教育の促進などを通じ、学校に行けなかった大人の再チャレンジを可能にする社会を実現します。

  • 子育て・保育

    (1)待機児童対策

  • 認可保育所の設置基準や運営補助金について、柔軟性を欠く全国一律の基準を改め、原則として条例で決められるようにする等、保育政策の地方分権化を徹底し、地域の実情に応じた保育サービスを可能にします。
  • 規制改革により保育サポーター制度 の導入やベビーシッター、小規模保育・病児病後児保育事業の拡大など保育サービスの多様化を促進し、待機児童問題の抜本的な解決を図ります。
  • 病児病後児保育・ベビーシッターや子育て世代向けの住宅利用等、さまざまな子育て支援サービスに利用できる子育てバウチャーの導入・大幅な拡充を進めます。
  • 所得税法を改正し、学資金だけでなく保育にかかる費用について原則非課税とし、地方自治体からの子育て費用の助成を促進し、直接給付を重視する方針への転換を図ります。

  • (2)保育所・保育士待遇

  • 保育士の給与について、官民格差の是正や正規・ 非正規職員間の同一労働同一賃金、私立保育園と無認可保育施設の保育士の処遇の大幅改善など、抜本的な処遇改善を行います。
  • 長時間労働、サービス残業、持ち帰り残業を撤廃するなど保育士の働き方改革を推進し、保育士不足の解消に努めます。
  • 保育所での重大事故を防ぐため、自治体に認可外を含めた事前通告なしの抜き打ち調査の実施権限を付与するとともに、重大事故から指導歴に至るまで情報公開を徹底し、保育の質の向上を図ります。
  • 保育士やベビーシッターなど、子どもに関わる職種に就く者の性犯罪歴の証明届出義務化を検討し、子どもへの性犯罪被害を防止します 。
  • (3)特別支援

  • 医療的ケア児について、看護師らを車両に同乗させる通学支援の拡充や医療的ケア児対応型の保育園の増設など、当事者とその家族への支援を促進します。
  • 自治体の支援が行き届かない多胎児家庭の実態を把 握し、産前産後ケアの充実など適切な支援体制整備を促進します。
  • 新たな社会問題となりつつある育児と介護のダブルケア問題解決のため、自治体に実態調査・把握を促すとともに、育児・介護の縦割りに阻まれない支援体制を整備します。
  • 重大な児童虐待を撲滅するため、弁護士等の専門家を常駐させるなど児童相談所の機能強化と、ニーズに応じた機能分担を推進します。また、特別養子縁組の促進や里親委託率の向上のため、自治体や民間支援団体との連携を強化します。
  • 児童相談所の一時保護所における混合処遇を廃止し、義務教育を受けられない保護児 童は原則通学できるよう子どもの保護環境を改善します。
  • コロナ禍で特に困窮しているひとり親支援を拡充するほか、社会問題化している養育費の不払いについて、国が立て替えた上で不払い者に強制執行できる制度を創設し、子どもが両親の離婚によって経済的な不利益を被らない環境を整えます 。

  • (4)少子化対策

  • 子どもの数が多いほど税負担の軽減が大きくなる「 N分 N乗方式(世帯単位課税)」を採用し、子育てによる経済的負担を軽減します。
  • 妊娠・出産にかかる費用や手続きがいまだ大きな負担になっている現状を見直し、いわゆる出産育児一時金 の増額・簡素化や妊婦健診にかかる費用の完全無償化など、妊娠・出産への負担の最小化を図ります。
  • 政府与党で検討がなされている「子ども庁」については、組織ありきの議論には与さず、まず子どものために使われる大規模な財源を確保することを目指します。具体的には、予算枠を財務省の取りまとめから独立させ、 GDPの一定割合を必ず子どものために配分する等と定めた上で、その財源を着実に活用できる組織のあり方を検討します。

  • (5)共同親権

  • 子どもの福祉・最善の利益の確保のため、主要先進国で法制化されている共同親権・共同養育については、 DV(家庭内暴力)被害等に十分に配慮をしながら導入を推進します 。

  • 男女共同参画(ジェンダー・イクオリティ)

    (1)働き方・雇用

  • テレワーク・時差出勤・フレックスタイム制の推進や、駅ナカや駅チカで保育所とオフィスを複合した「準・在宅ワーク」の拠点整備等を行い、出産・育児期に女性の就労率が極端に下がる、いわゆる「 M字カーブ」を解消します。
  • 女性の雇用においてはすでに正規・非正規雇用が逆転している現状に鑑み、正規・非正規を問わない「同一労働同一賃金」を、女性が働く環境整備としても実現します。
  • 育児や介護を理由とした離職を防ぐため、育児・介護支援のみならず家事支援サービスの利用促進を図るなど、働きながらケアができる体制整備に努めます。
  • 企業の女性雇用率や女性役員比率、男性育児休業取得率などに応じて政策的な減税を行い、女性や子育て世代が活躍しやすい機会を増やします

  • (2)選択的 夫婦別姓

  • 戸籍制度を維持しながら実現可能な夫婦別姓制度の導入を目指しま す。具体的には、同一戸籍・同一氏の原則を維持しながら、旧姓使用にも一般的な法的効力を与える選択的夫婦別姓制度を創設し、結婚後も旧姓を用いて社会経済活動が行える仕組みを整備します 。

  • (3)DV・性被害 対策

  • 性暴力被害者、セカンドレイプ被害者への支援を強化するとともに、出所者を把握し、治療に結び付けるなど性犯罪再犯の防止策の法制化を検討します。
  • DV(家庭内暴力)撲滅のため、 DV相談の強化、民間シェルターの支援拡充、高葛藤ケースにおける面会交流の取り止めを適切に行い、早期発見と被害者支援を徹底します 。
  • 性的虐待から子どもたちを守るため、 13歳となっている性的同意年齢の引き上げや構成要件の見直しなど、性被害の実態に即した刑法改正を検討します。

  • (4)医療・不妊治療

  • 子宮頸がん( HPV)ワクチンについては、 9価ワクチンなど効果の高いものが出てきたことにも鑑みて積極的勧奨を早期に再開し、防げるがんから命と健康を守ります。
  • 自治体の不妊治療助成を支援・促進するとともに、国として不妊治療への 保険適用を早期に検討し、不妊症・不育症の課題と向き合い仕事と治療が両立できる環境整備に取り組みます。
  • 母体を適切に守るため、性と生殖に関する知識を啓発するとともに、アフターピルのオンライン診療・処方などの規制緩和を検討します 。

  • 社会政策(多様性)

    (1)同性婚・LGBTQ

  • 同性婚を認め、 LGBTQなど性的少数者が不当な差別をされないための立法措置を早急に講じます。
  • 自治体による同性パートナーシップ制度を促進するとともに、同性間に限らず使えるパートナーシップ制度「日本版パクス」の導入を検討します 。
  • 性自認・性同一性を巡る諸課題やトランスジェンダー当事者が直面する困難の解決に取り組み、多様性が尊重される環境整備に向けて政府内に専門的に議論をする会議体を設置します。議論の際は、女性や子どもなどの権利が守られることにも十分な配慮をもって進めます。

  • (2)障がい者支援

  • 分身ロボットなどのテクノロジー開発や、超短時間雇用の導入等の規制緩和を通じ、身体・知的・精神の障がい種別にとら われない障がい者雇用率の向上を推進します。
  • ポストコロナ時代における働き方に鑑み、健常者のみならず障がい者就労についても通所だけでなくテレワーク(在宅就労)で行えるよう、就労系福祉サービスを活用できる制度と ICT環境を整備します。
  • 長時間の介助を受けられる「重度訪問介護」のサービスについては、経済活動中にも利用可能にする等、重度障がい者が活躍できる環境を整備します。
  • 障がい者の社会参加に必要な情報アクセスやコミュニケーション手段の保障、デジタル・ディバイド(情報格差)解消のため、行政サービスを中心として情報 保障の充実化を図ります。また、手話を言語として定める手話言語法を制定します 。

  • (3)生活安全・消費者保護

  • インターネットを通じた新たな犯罪・特殊詐欺や、犯罪の温床となる無登録の投資助言・医療広告などが横行していることに鑑み、各省庁におけるサイバー犯罪対策を強化し、消費者保護に努めます。
  • 青年層の死因で最も多い自殺について、行政が家庭や教育現場・職場などとも連携をとれる体制整備を促進するとともに、経済的理由による自殺を防ぐための各種雇用・経済施策の充実を図ります。
  • 二次被害の防止、求償権付の賠償金の一部立て替えなど、犯罪に苦しむ被害者への支援の強化を推進します。同時に、触法障がい者を含む触法者が社会復帰をする更生支援に取り組みます 。

  • (4)ヘイトスピーチ・誹謗中傷対策

  • 表現の自由に十分留意しつつ、民族・国籍を理由としたいわゆる「ヘイトスピーチ(日本・日本人が対象のものを含む)」を許さず、不当 な差別のない社会の実現のため、実効的な拡散防止措置を講じます。
  • SNSなどにおける誹謗中傷問題につき、行政による過剰な規制や表現の自由侵害には十分に配慮しつつ、発信者情報開示請求を簡素化するなど司法制度を迅速に活用できる仕組みを整備し、被害者保護と誹謗中傷表現の抑止を図ります。

  • (5)外国人対応

  • マイナンバーカードによる外国人労働者の在留管理を推進するとともに、新たな外国人労働者の受け入れも踏まえ、 AIチャットボット・AI翻訳を活用した行政の多言語対応など、外国籍児童・外国出身児童を含めた外国籍住民との共生を図ります。
  • 外国人技能実習制度の実態を調査し、外国人労働者が「労働力の需給調整手段」として使われてきた状況を抜本的に改善して適切な受け入れを推進します。
  • 偽装難民問題に留意しつつ、難民及び難民申請者への医療・食料等の支援強化や難民申請プロセスの改善など、 SDGsの考え方に基づき人道的見地から難民問題に取り組みます。
  • 安全保障上の観点などから、各級選挙や住民投票における外国人参政権付与については認めない一方、帰化を望む永住外国人のため帰化手続きのさらなる合理化・簡素化を推進します。

  • (6)SDGs

  • SDGsに関する国や地方自治体の施策をより一層推進するとともに、学校現場でSDGs教育を普及させるなど、「持続可能な開発目標」に対する社会の意識を啓発します。
  • SDGsへの取り組み、特にCO2排出量や人権等に関する企業の方針や対応が国際的に重視され、経営やビジネスに大きく影響を与え始めていることに鑑み、我が国でも企業の持続可能性を評価する制度を構築します。
  • 2,000兆円を超えるともいわれるSDGsビジネスにおける国内企業の優位性を獲得し、市場獲得への環境整備を行うため、SDGs(持続可能な開発目標)に取り組む企業を支援します。
  • フードロスや食品の偏在など地球規模の諸課題の解決が期待されるフードテックについて、研究開発や投資環境の促進をするとともに、安全性を確保したルールの策定を検討し、フードテックが社会に受け入れられる環境を整えます。

  • (7)動物 との共生

  • 動物愛護管理法による数値規制を徹底するとともに、虐待を監視するアニマルポリスを創設します。保護犬・保護猫の譲渡会の活性化等を推進し、引退犬・猫を温かく迎える環境を整備します。
  • 譲渡困難のケースを殺処分にカウントせずに「ゼロ達成」と偽る自治体が発生している事態に鑑み、殺処分の定義を厳格に見直し、動物殺処分をゼロに近づける取り組みを強化します。
  • 国際獣疫事務局( OIE)の勧告に則り、家畜のストレスや疾病を減らすなど「アニマルウェルフェア」に配慮した飼養管理を促進します。

  • 5 強く靭やかに国土と国民を守る危機管理改革・エネルギー政策


    危機管理・防災インフラ

    (1)組織・制度改編

  • 大規模災害のたびに問題となる初動段階の対応を改善し、発災後1週間以内に、最低限の物資等を確保することを国の指針として定めます。
  • 災害後の対応を検証するワーキンググループには災害現場の首長などを中心に選定し、次の災害現場で即実行可能な提言を策定します。
  • 感染症の対応にあたる「日本版 CDC」を首都圏と関 西圏に 1か所ずつ整備し、感染症対策を万全に行います。(再掲)
  • 道州制の理念の下、隣接都道府県では情報や医療資源の共有化をはかるなど、相互補助できる体制を構築します。(再掲)

  • (2)発災対応

  • 防災無線が豪雨の際に聞き取れない事態を未然に防ぐため、「地域 FM」「 SNS・エリアメール」「テレビ速報」等の様々なツールを活用した情報の伝達のさらなる充実を図ります。
  • 災害時の自衛隊の役割・優先順位が不明確なことで大きな負担が生じていることから、活動の優先順位は①救難・救命②救助③捜索活動④生活支援であることを明確化した指針を策定し、自衛隊による救助活動を効率的に進めます 。

  • (3)防災

  • 災害時の倒木や倒れた電柱の撤去作業において、自治体が所有者を問わず復旧作業できるよう各事業者と協定を結ぶモデル制度(和歌山モデル)を全国の自治体に促進します。
  • 市民、ボランティア、行政、自衛隊などの力を結集し、被災者のために一丸となって災害廃棄物等の撤去を行うモデル制度( ONE NAGANO)の導入を促進します。
  • 土砂災害を誘発する放置人工林を自然林に戻すべく、間伐と広葉樹の植栽を推進します。
  • 特に高度成長期以降に整備したインフラの老朽化対策について、 AIや IoTなどデジタル技術の活用によるメンテナンスの高 度化・効率化を推進するとともに、インフラの集約や不要な施設の撤廃を進めます。
  • 非常用電源のための燃料備蓄をより一層促すとともに、備蓄された燃料の品質劣化に対応するため、適切なチェック体制の整備と燃料入れ替え支援を行い、非常時に停電しない環境を整備します 。

  • (4)避難所

  • 避難所のプライバシーや衛生面での環境を改善し、医療関係者などの専門家との連携によるサポート体制を構築した、安らげる避難体制を整備します。
  • 多くの人々が緊急時でもペットとの共存に生きがいを感じていることに鑑み、災害時のペットとの共存・同行避難について明確な指針を策定します。
  • 日本に滞在する外国人に考慮し、災害時の行政からの情報発信や避難所における多言語対応を充実させます。

  • (5)復興支援

  • 震災から 10年を迎えた東日本大震災の復興政策においては、巨大なコンクリート防波堤などに代表されるハード整備に留まらず、ソフト重視の復興支援策を継続・推進します。
  • 災害廃棄物を被災した自治体のみで処理することが困難な場合に備え、広域自治体間の協力体制の構築を促進し、被災地以外の自治体が引き受ける場合の交付金を創設します。
  • 災害時の「全壊・半壊」認定において、外形的基準による判定の結果、多くの住民への補償が不十分であることに鑑み、その基準を見直して災害後の住民生活を十分に支える制度を構築します 。

  • エネルギー・環境

    (1)原子力政策

  • 東日本大震災の教訓を踏まえ、既設原発は市場原理の下でフェードアウトを目指し、国内発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合を拡大させます。
  • 東京電力福島第一原発事故の教訓を踏まえ、原発の再稼働に係る国の責任を明確化するとともに、高レベル放射性廃棄物の最終処分等に係る必要な手続きを明確化するため、①原発の稼働に当たっての政治主導の明確化、② 避難計画への規制委関与の法定、③原子力損害に係る国負担の明確化、④最終処分施設等の確実な整備のための手続き法制の整備を柱とする「原発改革推進法案」の制定を行います。
  • 廃炉技術の伝承と使用済み核燃料の有毒性低減のため、小型高速炉など次世代原子炉の研究を強化・継続します。
  • 東電福島第一原発事故の収束は国家プロジェクトとして国が一層の責任を持ち、東電任せにせず世界から技術と人材を集めて対応します。
  • 福島第一原発の敷地内に残存する原発処理水は、科学的根拠と国際ルールに則り海洋放出を決断します。その際、周辺地域の風評被害の払拭に最大限配慮をするとともに、協力自治体を募り福島県外での海洋放出を併せて検討します。
  • 除染廃棄物を30年以内に福島県外に撤去するという、実現が見通せない目標を見直し、科学的根拠を踏まえた上で実行可能な処理のロードマップを策定します。
  • 原発事故と甲状腺がん罹患は因果関係が認められなかった調査結果に鑑み、一斉検査のデメリットが大きい福島県民への甲状腺検査は希望者のみとし、過剰診断と風評による負の影響を無くします。
  • 海外から根強く残る原発周辺地域への懸念に対しては、地域や農作物等の安全性を多言語で全世界に繰り返し発信し、風評被害を根絶します 。

  • (2)エネルギー源の多様化

  • 政策課題が複数の省庁にまたがるエネルギー政策については、エネルギー政策基本法に基づく基本計画の策定段階から省庁横断的な組織で議論を進めるなど、縦割り行政を脱して一貫性・戦略性のある政策決定を行います。
  • 電力自由化を一層推進させるため、送電系統への接続の平等、電力の市場取引の拡大、再生可能エネルギーやコジェネレーション(熱電併 給)等の導入を促進します。
  • 発電会社が持っている設備能力 (容量・ kW)を売買する「容量市場」のあり方については、古い石炭火力発電所や既存原発の温存につながることから、抜本的な見直しを行います。
  • 経済成長を維持しながら、エネルギー消費による環境汚染が減少する社会を実現するため、グリーンエネルギーを推進し「脱炭素社会」の実現を目指します。
  • 地方経済の活性化には、風力発電、地熱、バイオマス等の自然エネルギー産業も有力な産業との観点から地方創生に取り組みます。
  • 風力発電、地熱発電の導入拡大の妨げとなっている自然公園法、温泉法等の規制緩和を早急に検討します。
  • 水素エネルギーは出力不安定な自然エネルギーの貯蔵手段および環境汚染の少ないクリーンエネルギーであることから、その利活用を積極的に推進します。
  • 海洋資源の開発と実用化を推進し、国産エネルギーの有力候補と位置付け、「資源大国日本」を目指します。
  • 宇宙資源の平和利用に向けた研究開発を進めるとともに、関連する法律を整備し、国際的な協定の策定を目指します 。

  • (3)環境

  • 2050年カーボンニュートラル、2030年温室効果ガス46%削減目標に向けては、過度な負担が産業流出を招かないよう十分に配慮しつつ、新たな投資を呼び込み、目標達成に不可欠な技術革新と雇用創出を実現します。
  • 諸外国で議論が進むカーボンプライシングについては、炭素税だけでなく排出権取引など市場原理を活かした排出量規制のあり方を積極的に検討し、主体的に国際ルールの策定に携わります。
  • 深刻化する海洋汚染や温暖化の要因とされるプラスチックゴミの削減に向けて、分別や廃棄方法のあり方を適切に見直すなど、処理技術の現状や科学的エビデンスに基づいた対策を進めます。
  • 環境対策として開始されたレジ袋有料化の政策効果をよく検証し、さらなるプラスチック製品の有料義務化については、事業者や消費者に安易に負担が転嫁されないよう他の代替手段と合わせて慎重な検討を行います。
  • 建設発生土の不適正な処理を背景に大規模な崩落事故が多発していることを踏まえ、適正処理を推進するための法整備に取り組みます。

  • 6 中央集権の限界を突破する、地方分権と地方の自立


    大都市政策

    (1)地方自治体のあり方 政令市・広域行政 等)

  • 道府県と政令指定都市の二重行政問題が全国で顕在化している現状に鑑み、都市圏の一体的な成長を加速させるため、広域行政を一元化し、基礎自治体は住民サービスに特化する、新たな都市制度・地方自治体のあり方を法制上の措置を含めて提案・実現します。
  • 都市運営の改善案として議論されている広域行政一元化・特別自治市・都市間連携などについては、二重行政解消に向けた様々な選択肢の一つとして、その地域特性に応じて地域が主体となり検討を進めます。

  • (2)首都圏

  • 「東京圏」と呼ばれる一都三県五政令市にまたがる通勤・通学圏を一体運営する組織体を形成。 広域自治体は経済圏に合わせた広域行政や都市戦略などに役割を特化してスリム化し、基礎自治体に徹底的に権限を移譲する、ロンドンをモデルとした「グレーター東京構想」を実現します。

  • (3)副首都

  • 首都・副首都法を制定し、大阪を副首都化することで、グローバルな都市間競争で日本をけん引するエンジンを増やし、まず二極型国家を実現し、将来的には多極分散型国家の実現を目指します 。

  • 地方自治・国のあり方

    (1)道州制・権限移譲

  • コロナ対応で限界が明らかとなった中央集権体制から、地方分権体制(道州制)に移行します。国の役割を明確に絞り込み、国の機能強化と地方の自立を実現します。
  • 道州制基本法を制定し、国、道州、基礎自治体の役割を明確化。国のあり方を抜本的に再構築します。
  • 行財政基盤を強化する適切な「選択と集中」により、少子高齢化社会にも対応できる基礎自治体を形成します。地方議員の定数については、地域事情を考慮しながら削減・適正化を図ります。
  • 国から地方への権限移譲に伴い、国の省庁出先機関は原則廃止し、職員の地方移管を進めます。
  • 自治 体の運用と組織は、自治体や住民の発意により多様な制度設計を可能とする法制度を整備します 。

  • (2)財源移譲

  • 消費税は地方自立のための基幹財源と位置づけ、税率設定を地方に任せた地方税へと移行します。
  • 国が総需要額を算定して交付する地方交付税制度は廃止し、新たな財政調整制度として、調整財源の配分を地方が合議で決める地方共有税を創出します 。

  • (3)抜本改革

  • 将来的な首相公選制・一院制の導入を視野に、積極的な議論と検討を開始します 。

  • 7 現実に立脚し、世界に貢献する外交・安全保障


    安全保障

    (1)総論・予算

  • 世界の平和と繁栄に貢献する外交政策を理念として、日本の主権と領土を自力で守る体制を整備し、政権を担える政党として現実的な外交と安全保障政策を展開します。
  • 防衛費の GDP1%枠を撤廃し、テロやサイバー・宇宙空間への防衛体制をさらに強化します。また、領域内阻止能力の構築について、積極的な検討を進めます。

  • (2)国内基盤整備

  • 自衛隊員の待遇を抜本的に改善し、任務に応じた危険手当を創設する等、自衛隊及び隊員の地位向上を実現します。
  • 防衛施設周辺や国境離島の土地等が外国人・外国企業に購入され、我が国 の安全保障を脅かす事態が生じていることに鑑み、国家安全保障上重要な土地等の取引等については厳格に規制を強化します。
  • 我が国を取り巻く国際情勢に鑑み、領海などにおける公共の秩序の維持を図るため、自衛隊法及び海上保安庁法を改正し、自衛隊の部隊による警戒監視の措置及びその際の権限について定めるとともに、海上保安庁の任務として領海の警備が含まれることを明記します。
  • 米国の CIAのような「インテリジェンス」機関を創設するとともに、諸外国並のスパイ防止法を制定し情報安全保障を強化します。
  • 先進諸外国では標準とされている戦争被害補償法制の整備に向けた議論を開始します。
  • 国家のために亡くなられた方々への対応・慰霊が不十分である現状を重く受け止め、遺骨の収集や旧軍墓地の国立化を進めます。自衛官等の殉職者への追悼のあり方についても、国家として適切な対応を行います 。

  • (3)日米関係

  • 日本周辺の安全保障環境が厳しさを増す中、日米同盟を基軸とし、日米英印豪台など共通の価値観を持つ海洋国家ネットワークで我が国の防衛力を強化します。
  • 日米が対等の関係に立つことが同盟の維持には不可欠であるとの認識の下、米軍人、米軍属等の犯罪行為に厳正な態度で臨みます。特に沖縄県民はじめ日本国民の生命、身体、財産を守り、法の下の平等を保障するため、日米地位協定を抜本的に見直します。
  • 沖縄基地問題については、日米政府が真摯に対話を重ね、合意可能な新たな基地負担軽減プラン(訓練場所等の暫定的な移転も含む)を示します。 また、地方自治体・地域住民との合意形成に必要な手続き法の制定を検討します。
  • 集団的自衛権行使の要件を厳格化するため、現行の「存立危機事態」の要件に代えて、「米軍等防護事態」(日本周辺で、現に日本を防衛中の同盟国軍に武力攻撃が発生したため、わが国への武力攻撃の明白な危険がある事態)を規定し、対象範囲を限定します。

  • (4)国際連携

  • 国連平和維持活動( PKO)において、明確な停戦合意が確認できない地域で活動するケースが増えていることから、「 PKO5原則」の実態に合わせた見直しを検討し、国際平和への積極的な貢献 を推進します。
  • 国際社会でポスト核拡散防止条約( NPT)体制を追求するべく、核軍縮に向け新たなテーブルを構築します。
  • 偶発的な武力衝突を回避するため、日中当局間の「海空連絡メカニズム」等の措置を取れるよう、自衛隊および海上保安庁が体制を構築します。
  • 過剰な海洋権益を主張し国際社会の 脅威となる国家に毅然とした対応をとるため、オーストラリアやインド、 ASEAN諸国など「航行の自由作戦」に参加した諸外国との連携を強化します。
  • 北朝鮮の核・ミサイル、拉致問題については、日米韓中など国際社会と連携して断固たる措置を実施します。特に拉致問題については今世代で解決すべく、一日も早い全ての拉致被害者の奪還に向けて外交努力を尽くします 。

  • 外交

    (1)自由貿易・連携

  • EPAを基軸として域内経済連携に積極的に関与し、世界規模での自由貿易の推進、自由主義経済圏の拡大をはかります。
  • 特にTPP11については、覇権国家である中国の加盟希望については慎重かつ戦略的に対応しつつ、台湾や英国などの参加を積極的に促し、経済連携を深めると同時に経済安全保障の強化を図ります。
  • ODA予算を有効活用し、積極的な対外支援策に転換させることで、途上国との友好と経済安全保障を促進します。
  • 海外からの投資を呼び込みやすい環境を整備し、自由で開かれた貿 易投資を実現すると同時に、経済安保・技術流出防止の観点から、我が国の安全を脅かす投資については、実効的かつ機動的な対応を行える立法措置を検討します。
  • 国連安全保障理事会の常任理事国入り実現のため、積極的な働きかけを展開します。同時に、国際機関における要職に日本人を送り出し、財政的貢献だけでなく人的貢献を図り、我が国のプレゼンスをより一層向上させます 。

  • (2)特定国への対応

  • 国際社会の普遍的価値観を中国と共有できるよう、安全保障や経済における多国間協議の枠組みを活用し、戦略的互恵関係の基本原則に立脚し対話を重 ねます。昨今の香港やウイグル・チベットのように、自由・民主主義・人権の尊重・法の支配が認められない事態が生じた場合は、毅然とした外交対応を行います。
  • 我が国の安全保障上の脅威となる中国共産党の武力による現状変更を防ぐため、とりわけ「台湾統一」への動きについては台湾の意思を尊重し、国内および日米間における台湾有事の際のルールを早期に策定します。
  • 台湾の国際関係機関へのオブザーバー参加を後押しし、また香港については、自由で開かれた香港が維持されるよう国際社会と連携します。
  • 国際的な人権侵害が頻発している事態に鑑み、人権侵害を行った個人・団体を対象とし、ビザ規制や資産凍結などを行う 人権侵害制裁法 の制定を検討します。
  • 尖閣諸島については、行政権の行使等を通じて実効支配力を強化します。
  • 韓国内で発生した旧朝鮮半島出身労働者(徴用工)問題や、日韓の領土・安全保障に関わる事態については日本の立場と国益に基づく毅然とした対応を取りながら、未来志向の日韓関係を構築します。
  • 歴史的に友好関係にあるアラブ諸国との関係を強化し、対話を通じた中東和平の実現に向けて日本独自の役割を果たし貢献します。
  • ロシアとの戦略的互恵関係を強化しつつ、我が国固有の領土である北方領土の帰属問題を解決し、平和条約の早期締結を目指します。

  • 8 憲法改正に正面から挑み、時代に適した「今の憲法」へ


    教育無償化

    (1)総論

  • すべての国民は経済的理由によって教育を受ける機会を奪われないことを憲法に明文化します。
  • 機会平等社会実現のため、保育を含む幼児教育から高等教育(高校、大学、大学院、専門学校等)についても、法律の定めるところにより無償とします 。

  • 道州制

    (1)権限移譲

  • 自治体は広域自治体の道州と基礎自治体の二層制として、自治や問題解決はできるだけ小さな単位で行い、対応しきれない部分のみ大きな機関で補う「補完性の原則」を明文化します。国は国家として存立に関わる事務・本来果たすべき役割を担い、それ以外の事務は原則として自治体が担うよう改革します。
  • 自治体の組織及び運営につき、その自治体の条例で決められるよう改めま す。道州は国の役割以外の法定事項につき、法律に優位した条例を制定できるようにし、「法律の範囲内」とされている現行憲法から自治体の条例制定権の範囲を飛躍的に拡大させます。

  • (2)財源移譲

  • 自治体の課税自主権を定める一方、自治体間の財政力の不均衡については、道州間では道州相互間、基礎自治体間ではその道州内で財政調整を行うという財政調整制度を構築します 。
  • 憲法裁判所

    (1)総論(法の支配の徹底)

  • 政治、行政による恣意的憲法解釈を許さないよう、法令又は処分その他の行為が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有す る第一審にして終審の裁判所である憲法裁判所を設置します。
  • 憲法裁判所の判決で違憲とされた法令、処分などは、その効力を失うこととし、判決は全ての公権力を拘束する効力を持たせます。

  • その他

    (1)憲法審査会・9条

  • 国民に選択肢を示すため、各党に具体的改正項目を速やかに提案することを促し、衆参両院の憲法審査会をリードします。憲法 9条についても、平和主義・戦争放棄は堅持した上で、正面から改正議論を行います 。

  • (2)国民投票

  • 憲法改正国民投票を行うことにより、現行憲法が未だに国民投票を経ていない等の問題点を解消します。

  • (3)緊急事態条項

  • 新型コロナウイルス感染症対策を受けて必要性が議論されている「緊急事態条項」について、憲法に緊急事態条項のある国や法律で対応している国など、さまざまな国の状況を参考に積極的な議論と検討を行います。
  • (4)皇室

  • 皇室制度については、古来例外なく男系継承が維持されてきたことの重みを踏まえた上で、安定的な皇位継承に向け旧宮家の皇籍復帰等を選択肢に含めて、国民的理解を広く醸成しつつ丁寧な議論を率先します 。
 
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