「東日本大震災から14年目を迎えて」

本日、東日本大震災から14年目の鎮魂の日を迎えました。あらためて、亡くなられた方々に哀悼の意を捧げますとともに、被災されたすべての皆様に心からお見舞いを申し上げます。
地震と津波による甚大な被害から歳月が流れ、被災地では復興が着実に進んでいます。復興事業は最終段階に差し掛かり、長く解決が待たれていた課題への取り組みも前進しております。第２期復興・創生期間に入って５年目となる今年、被災地では各地で新たな産業や生業が育まれ、「新しい東北」として震災前の活力を取り戻しつつあることを、国民の一人として大変心強く感じています。一昨年から昨年にかけて、東京電力福島第一原子力発電所事故により長年ふるさとへの帰還が叶わなかった地域で次々と避難指示が解除され、福島県双葉町や富岡町夜ノ森地区などで住民の皆様の帰還への道が開かれました。桜並木で知られる夜ノ森地区に再び人々の笑顔が戻り始めた光景は、幾多の困難を乗り越えようとする地域の希望の象徴であり、復興への大きな励みとなっています。
一方で、原発事故に起因する課題はいまだ残されています。一昨年８月より福島第一原発のALPS処理水の海洋放出が始まり、計画どおり安全に実施されています。国際原子力機関（IAEA）の包括報告書が示すとおり、その処置は国際基準に完全に適合しており、継続的なモニタリングにおいても問題がないことが確認されています。しかしながら、国内外の一部では科学的根拠のない風評や批判が依然として存在しています。日本維新の会は、福島をはじめとする被災地域の漁業・農業に従事される方々の懸命な努力が正当に評価されるよう、また震災の記憶を風化させないためにも、処理水の安全性について引き続き丁寧な説明に努め、福島県及び周辺地域に対する風評被害の払拭に全力を尽くしてまいります。
同時に、福島県内に大量に保管されている除染土の処理も重要な課題です。科学的知見に基づいた安全かつ合理的な最終処分の実現に向け、政府に対して一日も早く具体的な道筋を示すよう強く求めてまいります。日本維新の会としても、現場の声に耳を傾けながら、この問題に真摯に取り組んでまいります。
復興への歩みと並行して、私たちは尊い命が奪われた悲劇を決して忘れてはなりません。今なお遺族の胸には癒えぬ悲しみが残り、危険を顧みず救援活動に身を捧げ命を落とされた方々もおられます。その無念と献身を東日本大震災の記憶として深く心に刻み、後世に語り継いでいくことは、今を生きる私たちの責務です。震災から14年が経った今もなお、関連死を含め多くの方々がさまざまな困難に向き合っておられることを忘れることはできません。被災された方々の心と生活を支える長期的な支援の重要性を改めて認識するとともに、政治に携わる者として国民の皆様の生命と財産を守り抜く重責を痛感しております。
昨年、新年早々に発生した石川県能登地方を震源とする地震では、東日本大震災以来初めて大津波警報が発令され、日本中が緊張に包まれました。震災から１年以上が経過した今もなお、被災地では厳しい生活を余儀なくされている方々も多くいらっしゃり、長期的な支援の重要性が改めて浮き彫りになっています。東日本大震災の教訓を活かし、国と地方が心を一つにして減災対策を強化し、災害に強い国づくりを進めていく必要があります。
日本維新の会は、東日本大震災の教訓を決して風化させることなく、国民の命と暮らしを守るための政策に反映させてまいります。被災者の生活再建や心のケア、地域コミュニティの再生など、復興の「質」を高める支援策を引き続き推進していく所存です。これからも防災・減災対策の強化に心を砕き、災害に強い社会の実現に取り組んでまいります。そして、被災された方々および地域の皆さまに寄り添いながら、共に復興と再生への道を歩んでいくことをお約束いたします。

令和７年３月11日
日本維新の会 代表 吉村 洋文

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