今回は、安倍首相の三選が確実視された総裁選であり、大きな盛り上がりもなく、具体的なテーマについて深い議論もないまま、自民党総裁が決まった。

四選はないので支持率にとらわれず、これまで避けられてきた重要課題に取り組んで欲しい。例えば、維持可能性が不安視される年金、医療制度の抜本的改革。放射性廃棄物処理場問題と電力自由化。世界のイノベーションと進化から取り残されないための大胆な規制改革。日朝、日露等の外交問題。沖縄の基地負担軽減等々。長期政権だからこそ解決可能なこれらの政策課題等に対して、大胆かつ積極的な取組みを期待したい。

次期臨時国会に提出される意向の憲法改正案については、総裁選の結果、九条の加憲方針も定まったものと思う。但し、憲法改正に関しては、国民に改正提案をするわけだから、政府と国会が国民に深く信頼されていることがその前提になる。日本維新の会は憲法改正に関し既に改正項目を提示しているが、自民案についても真摯に前向きな議論を進める用意がある。

人口減少と少子化高齢化に伴い社会構造が大きく変わるなか、国民の将来不安を解消するために国家として成すべきことは何か。小手先ではなく、抜本的な社会変革を実現させるための制度構築、未来志向の国づくりを期待したい。

平成30年9月20日
日本維新の会 代表 松井一郎